きょう、木曜日の「マッサン」は、本当に楽しかった。
夫・政春の大株主を前にしてのプレゼンテーションで、妻のエリーが、見事な手助けをする。
お料理を作って運んできて、このお料理が、ウイスキーにとても合う、というのである。
大株主たちも「これはいけますな」と大喜びで拍手をする。
ウイスキーを造らせてもらえるかどうかは、まだこれから段階を踏まなければならないが、ともかくは大成功である。
エリーの「内助の功」は、とても素晴らしい、と思った。
ところで、このエリーのアイディアは、住吉醸造の一人娘・優子さんのお料理を見ていて思いついたものであった。
政春がスコットランドから帰ってきたら、結婚する予定であったと、これはなんらかの誤解なども混ざっていたようなのだが、その予定だった優子さんである。
この優子さんは、最初はエリーに意地悪をしたりもしたけれど、お父さんやお母さん、お祖父さんの考えもあって、お見合いをすることになった。
お見合いの相手は、浪華銀行の預金課課長代理で、29歳。
住吉酒造の株主である海運会社社長の
藤岡正太郎の次男・藤岡次郎さんである。
紆余曲折はあったけれど、次郎さんと会ってみて、とてもよい人で、「私はほっとしたわ」と優子さんは言っている。
お見合い結婚、親の決めた結婚、これは、なぜか「幸せにはなれないもの」と決めつけがないだろうか?と私は考えてしまう。
なぜなら、私はずっと以前に、いろいろな高齢者のかたから、結婚や人生について話を聞いたことがあったからである。
ちょっと前まで、第二次世界大戦のころまでは、お見合い結婚が主流だったようである。
たいていの高齢の婦人が「うちはお見合い結婚よ」と言ったときもあった。
そして、その結婚が幸せだった、という女性もたくさんいた。
「結婚してから恋愛したのよ」
「会ってみたら、とてもいい人で、やさしい人でね」
「結婚してから、子どもができて、趣味の話をしたり、仕事の話や家族の話をゆっくりしたりして、主人のことを大好きになったのよ」
こういうお話が多かった。
そのときは意外な気がしたけれども、生活環境がよく似たところに育って、両親からも祝福されて、仕事も人柄も「大丈夫」という男性とお見合いをして、それから、小さいながらも結婚式を挙げて…そういうお見合い結婚にも、幸せな夫婦像が、あるのではないか?と私は思ったのである。
「マッサン」では、優子さんが、お見合い結婚に向けて準備中である。
ぜひ、「お見合い結婚の幸せ」を教えてほしいものだ、と思う。
結婚にはいろいろな形があって、どんな道すじであっても、出会いは出会い、縁は縁なのではないか、と私は思う。
穏やかに紡ぐお見合い結婚の夫婦、というのも、あっていい、と私は思う。