日本でも、国産旅客機の製造・販売が本格化するという。
というと、ちょっと驚くような感もある。
「じゃあ、これまで航空機は日本製じゃなかったの?」と、反響が届きそうだ。
私もあまりよく考えたことはなかったが、これまで、日本の航空会社はあっても、そこで使用している旅客機それ自体は、日本製ではなかったようである。
たまに聞く名前であるが「ボーイング社」という社名がある。
日本航空とか全日空とか、そういった航空会社は、アメリカのボーイング社から、飛行機の機体を購入していたのである。
そう言われてみれば、「ボーイング767」とか、「ボーイング787」とか、機体の名前には「ボーイング」の名前が着いていた。
この旅客機、一機でいくらくらいするのだろう?
たぶん、おそらくは、億単位である。
その旅客機をアメリカの会社から何百機も購入していたのだから、飛行機だけで輸入総額が、かなりの額に達していたのだと思われる。
もちろん、開発にも製造にも、工場を始め、機械の専門家など、たくさんのコストがかかるだろう。
それなので、これまで日本では手を付けていなかった分野なのかもしれない。
しかし日本は、自動車の製造・販売では、トップレベルである。
特に、日本人らしい器用さと繊細さ、機械に対して精密な態度は、とてもよい車を製造できる基盤として、胸を張ることができるものだと思われる。
「ものづくり」という、日本人特有の性質が、最大限に活かされる産業であると思う。
一機の飛行機には、300万個もの部品が使われている、という話である。
これらの受注に、日本中の工場や作業所も稼働することだろう。
何よりも、航空機輸入国から、航空機輸出国になれるのは、とてもいいことだと思う。
これまでの受注予約だと、アジア各国が多いようである。
アジア諸国に貢献できる、という見方もあるだろう。
公開された三菱のMRJという飛行機を見ると、割合に小型で小回りが利くタイプのようである。
これからの、アジアの交通航空に、たくさんの使命を果たすだろうと思われる。
三菱は重工分野で、ロケットやさまざまな種類の飛行機を作っているようなので、宇宙航空分野にも発展が期待できそうである。
空を飛ぶ夢は、たくさん見たほうがいい。
大きな海を越えるのは、大きな空の夢なのである。