今週の「マッサン」は、テーマがその名も「内助の功」。
夫婦仲、というものに興味津々な私は、ドラマ「マッサン」から、ぜひとも仲良し夫婦の極意を学びたいと、真剣に見ては考えている。
きょう火曜日の「マッサン」は、やはり夫・政春の仕事が、壁にぶつかっている状況である。
住吉酒造の社内にも「敵」がいるし、大株主もまた、ウイスキー造りには反対の「敵」である。
これらの人物を説き伏せて、なんとか了承を得なければならない。
了承、といっても、お金の問題なので、これは本当にむずかしい。
人にものを頼むときというのは、男にとっても、女性にとっても、本当につらいことである。
時には頭を下げて、時には要求を呑んで、負けを認めて、そして頼みごとをする。
政春は、ウイスキー造りのための、資金集めからしなければならない状況である。
頭を下げている。
大株主、小株主、あちこちに土下座までしている。
土下座というと、昨年、話題になったTBSドラマで「半沢直樹」というのがあった。
本当に男の人は、土下座をするものなのだろうか?
そこまでするのだろうか?
それとも、これが最終手段なのだろうか?
一般の会社でこうしたことが行われているのだろうか?
それで本当に、相手は頼みごとを受け入れてくれるのだろうか?
このあたり、「男のサクセスストーリー」として、ちょっと疑問に思うところである。
「頼みごと」というのは、営業でもあるし、プレゼンテーションでもあるだろう。
ある意味で、頭を下げれば了承してもらえるならば、そんな楽なことはないんじゃないか、とも思う。
相手に、納得してもらうこと、あるいは相手にも同じ気持ちになってもらうこと、「自分もウイスキー造りに参加したい」「それは面白そうだ」「やってみたい」「成功してもしなくても、挑戦し甲斐がある」と思わせることも、男の仕事の手腕であるように思われる。
手土産やもてなしもそうであろうし、私はなによりも、仕事の内容やお金の使い道を、よく説明することが、大事であるように思う。
ウイスキーを「おいしい」と思ってもらうことも、とても大切だと思う。
政春はどうするのだろう?
次にエリーである。
エリーは、目の前で夫の土下座を見て、どうだったのかなぁ?と思う。
もし私だったら、夫がそこまで人に頭を下げているのを見たら、とても悲しいと思う。
ごめんね、マッサン、私がもっとがんばればよかった、なんとか私の力で大株主を説得してあげたい、なんとでもしてあげたい、と思うかもしれない。
しかし、きょうのエリーは、さんざんお酒を飲んでよっぱらった政春に、叱咤激励をしたのであった。
いかにも日本的な飲み屋さんに、酔いつぶれた夫を迎えに行く姿が、すでにもう、新婚を通り越して、立派な奥さんである。
夫の青い帽子をちょこんと頭に載せたところが、とても可愛い。
こうして、夫の持ち物や着る物を、なんの抵抗もなく身に着けることができるのも、妻の自然なしぐさだろうか。
あるいは、妻の特権だろうか…?
ともかく、エリーは叱咤激励をする。
酔いつぶれたのであるから、ただ叱る、ただ怒る、という場面でもある。
「叱咤」の次に「激励」をつけたのは、よき妻の内助の功かもしれない。
しかし、夫を叱り飛ばす妻、というのは、恐妻ではないだろうか?
夫は妻から叱られたいものだろうか?
もし私だったら、夫を叱ったり怒ったりしないで、やさしく励ますだろうと思う。
…とそこまで考えてみたけれども、できるだけ優しく対応しようと思いながら、できるだけ言葉で説明して理解と納得を試みたつもりでも、10日に1割は、叱咤・怒りまくる、かもしれない、と思う。
世の中の男性陣は、妻から女性から、叱られてみたいものだろうか?
これはとても面白いところである。
脚本家が男性なので、世の中の男性は、こうして妻から叱られると発奮するものだ、と心得ておくことにしようと思う。