サブリーダー論・その2.「優しさ」
男性に向かって「優しい人ね」というのは、
決してほめ言葉ではない。
けれども、女性は、「優しいね」を連発してしまう。
女性にしてみると、「優しい男性」は「男らしい男性」で、
最高の賛辞なのだ。
男性にしてみると、頭がいいとか、背が高い、仕事ができる、
体力がある、力強い、ということが、ほめ言葉になる。
「優しさ」は「ひ弱さ」に通じるところがあるらしい。
少女たちも、理想の男性像のなかに、
「優しさ」を思い描く。
あるいは、母親たちも、自分の息子が、
「思いやりのある心の優しい男の子に育ってほしい」
と願う。
女性たちの求める「優しさ」とは、「思いやり」と「配慮」だと思う。
熱があるときに「休んだほうがいいよ」と言ってくれること。
仕事をしたあとに、飲み物を持ってきてくれること。
…実はこれらは、女性が女性同士でしていることなのである。
女性は、男性に対して「優しさ」を求めるときに、
「女性的な配慮」を求めているのである。
男性には男性の特質があり、
雨の中、ずぶ濡れになって、サッカーボールを追いかけて走る。
ゴールに向かって、争いあい、ぶつかり合いながら、
ひとつの目標を追い求めて身体ごと突進する。
男性が「ほめてほしい」と思うのは、
女性的な「優しさ」ではなく、
サッカーボールを追い求める「強さ」「たくましさ」なのではないか。
女性が、男性に、「女性的な配慮」を求めて得られずに、地団駄を踏むのは、
もしかすると、ないものねだりかもしれない。
ただ女性は、自分自身が、思いやりと配慮のある態度で、
サブリーダーとしての役割をまっとうすればいいだけなのかもしれない。