連載・81 ウナギの不思議。

お料理エッセー・そら豆のひとりごと。

ウナギには、数々の不思議と謎があるそうだ。
なかでも、私にとって一番の謎、というのは、「日本人というのは、ウナギを食べるのだな?」という謎である。
北海道で育って、北海道の食文化に慣れてきた私にとっては、本州に来てみると、日本人のウナギ好きには、まいったものだった。
あの食べ物は、焼いている香りが街中に漂うのがよい、ということなのだが、要するにお醤油とみりんが焦げるにおいであって、ウナギそのものというわけではなさそうだ。
焼き鳥屋も焼きお煎餅屋も、同じ香りがする。

江戸前の寿司ネタに「アナゴ」というのがあるが、これもなんなんだろう?というかんじがする。
だいたい、火が通っているではないか。

こんなふうでは、欧米から日本やアジアが認められるのは、まだまだ先だ、というかんじがする。
食文化というのは固有のもの、個性であるから、大事に認められるべきだ、という論が一般であるようだが、私にとっては、「日本人は、いまだに、ウナギやクジラやイルカを食べているのだから、西欧から認められるわけがないわね…」とため息をついてしまうのだ。
奥さんが風邪をひいたら、まず牛乳と玉子、それから、バターの塊をひとつ口のなかで溶かしてあげる、これが常識ではないだろうか。
少なくとも私にとっては、風邪にはバターである。

やはり、日本の食文化は、全面的に見直しをはかるべきだ。
ウナギくらい食べなくても生きていけるではないか。
グローバリズムのなかにあって、協調性というのはとても大切である。
個性や伝統文化にこだわるあまりに、未来にある目指すものを忘れてしまわないように、「新しくなる」日本文化を、一歩先に、リードしたいものだ。