宿命のライバル。


仕事で知り合った、ある男性の友達に、
「あなたには宿命のライバルはいるか?」と尋ねてみたら、
「いる」と答えた。
実は、私にもそうした、宿命のライバルがいる。

それは、小学校のときから、同じクラスだった女の子だったり、
中学校は中学校でライバルがいたし、
文学の世界には文学でのライバルがいた。
そして、そのライバル関係が、学校卒業と同時に自然に消えてしまうこともあるけれど、なんとなく、一生のライバルになっている場合もある。
人生を生きてくると、その人生が長くなった分だけ、
ライバルとの数々の戦いの日々が、長くなってくる。

ついこの間であるが、冬季オリンピックで、
日本の女子フィギュアスケートの浅田選手と、
韓国のスケート選手のキム・ヨナさんが、
これも宿命のライバル、と評されていて、
私は、「真央ちゃん、負けるな!」という気持ちで応援していた。

ところが、やはりこの対決に関して、
「なんで真央ちゃんばかり応援するの?」
「ちがう国だからといって、別に敵でもないし、
けんかする必要なんてないんじゃないの?」
「みんな仲良くすればいいじゃないの」
という声が、相変わらず聞こえるのである。

私は、最近、女性からはともかく、男性からも言われているのだが、
「どうしてそんなにけんか好きなのか?」
「どうしてそんなにけんかが強いのか?」
そして、「世の中ではいじめ問題が深刻化しているが、
もしかするとあなたは、いじめる側なんじゃないのか?」
とまで、
と言われてしまうのである。

そういえば、アメリカともけんかしたし、
中国ともロシアとも韓国とも、かなりけんかしたような気がする。

しかし、私の考えというか、感覚のなかでは、
ライバルというのは、あくまで好敵手、である。
ライバルがいるから、向上も成長もある。
このごろの運動会では、一等賞もびりっけつもなく、
みんなが一等賞だというが、解せない話である。
そんな横並びの精神が、いったいどこから出てきたのだろうか。

私が思うには、横並びの精神というのは、
女性の特質だという話である。
なんでも、最新の脳科学によると、女性の脳と、男性の脳は、
構造がちがうのだそうである。
それで、女性は生まれつき、横ならびの女性社会を組み立てるのだそうだ。
逆に、男性は、縦並びの社会を構成する傾向があるそうである。

男性の縦並びの社会というのは、いわゆる、上下関係のある、
ピラミッド社会であるが、
これは、差別でもなんでもなくて、
社会を構成する、組織体の問題である。
おおぜいの人が群になって同じ行動をするときに、
指揮系統というものは、やはり必要なのではないだろうか。

そのときに、上にたって指示する役になるか、
それとも、下にたって、指示を受ける役になるか、
これが、組織体である。
上になるか下になるか、どちらかであって、
横並び、ということはないわけだ。

それでも、人間としての尊厳は同じ価値であることには、
変わりはないと思う。

この上下関係、組織体が、男性社会である。
男性たちは、自然に、生まれついたままに、
この上下関係を作って、どちらが上かどちらが下か、
ほんの30分もふたりで一緒にいれば、
すぐに決まるのだそうである。

こうした男性社会の仕組みが、世の中全体を動かしているわけであるが、
その男性社会のなかで、女性たちがどのように、仕事をしていけるのか、
これは、大切な問題である。
すでに出来上がってしまっている、上下関係とピラミッド状態である男性社会のなかで、この社会を、横並びの女性社会に、変革してしまおう、という試みは、成功したという話をいまだかつて、聞いたことがない。
やはり、出来上がっている男性社会のなかで、自分が、上下という立場のなかを、生きていくしかない、と思うのである。

そのときに、大事になるのが、「どちらが上でどちらが下か」という問題である。
それを決定するための儀式的決闘は、別に、けんかでもなければいじめでもない。
正当な人間関係である。
上にならなければ、下になってしまう。
上下があるのなら、下よりも上のほうがいいに決まっている。

横並びの社会は、女性同士でしていればいいことだと思う。
それに、やはり、「好敵手」であるライバルがいて、
必死で戦うことは、とても楽しい。
生きていて一番楽しいことは、自分が向上していくときの、
息を切らすようなギリギリの苦しい呼吸であるかもしれない。
そして、成長するための苦しみというのは、
人生の充実の喜びとイコールである。

私は、楽な人生は、生きたくない。
気楽で仲良しというのもよいのだけれど、
走って走って、息が苦しくて、見上げれば空が青くて、
風が通っていく、そういう人生を生きていきたい。

宿命のライバルは、そうした人生をいやおうなくせまってくる。
大事な人生を、けんか腰と言われてもいいから、
元気よく生きていきたいのである。




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