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ライフ・ワーク・バランス。

日本人は、勤勉な国民性を、誇りとしている。
今はそうでもないかもしれないが、ずっと以前には、日本に来る外国人がとても驚くことは、日本人がとても勤勉で、熱心に精密に、よく働く、ということである。
そうした働きぶりのせいなのか、日本は、戦後に高度経済成長を遂げることができた。それも、急速に、である。
その姿が、ときには「エコノミック・アニマル」「働きバチ」と、揶揄されることになってしまった。
これが、もし、健康被害や、遅刻、仕事に関する事故などに直結することがなければ、日本人の特質として、そのまま、何を言われても、誇りにしていればよかったと思う。
しかし、これが、人々にとって、さまざまな悪影響を出している、ということがあれば、これは、問題にするべきであると思う。
育児休暇や有給休暇を取ることも、なんとなく罪悪感があって、それを取れないような、環境というか、人々の価値観、雰囲気というものがある。
昼休みさえ、12時にいったん仕事を終えて、社外に出る、1時間は個人的な時間を持つ、こうした雰囲気も、ない状況である。

これらが、健康被害や仕事の能率低下を引き起こすことを、たくさんの人が理解をして、積極的に休暇を取れるように、努力や工夫をしてもよいのではないか、と思う。

私の場合は、自分個人で、とても好きな趣味を、いくつか持っている。
たとえば、編み物である。
これは、電車のなかでも、銀行の待ち時間でも、ちょっとした座る場所があれば、バッグのなかから取り出して、編むことができる。
手指を動かすことで、何か気分がリフレッシュするようだ。

それから、ピアノがある。
熱心にピアノに向かっていると、音楽の世界に没頭できる。
練習もいいが、自由きままに、好きな曲を弾いて音を出すのがいい。

それから、春になると、ガーデニングのシーズンである。
春の空気は温かく、風も南風で、あわい緑色の草が、いい香りである。

私は案外、多趣味であるが、仕事の合間に、そのときそのときで、時には編み物にしたり、時には、これは季節に応じて、であるが、自然のなかでガーデニングをする。

しかし、である、私の仕事ぶりと生活を見たある、ほとんど医療関係に近い専門家などが、「あまりにもいろいろな仕事をしすぎる」「少し休んだほうがいい」と言うことがあるのだ。
「では、休む、とはどういう状態でしょうか?」と問い返すと、「何もしないで、横になる」というのである。
いったい、どうなっているのだろうか。
日本においては、「休む」という概念は、医療の面からも、何か堅苦しいものがあるようなのだ。

海外においては、ライフ・ワーク・バランス、という考え方が、すっかり定着しているようだ。
しっかり睡眠をとり、しっかりと有給休暇をとってバカンスをする、こうしたことが、むしろビジネスマンの、身体的、精神的な健康管理法として、重要なのだという。
むしろ、自分の身体を酷使して、「どれだけ寝ていないか」を自慢するようでは、ビジネスマンとしての能力は、疑われる、ということなのだそうだ。

有意義な仕事とその成果、そこに至るまでの、健康管理と、休暇の必要性、これが、ライフ・ワーク・バランス、ということになる。
これから私たちが、課題としていくべき、ライフスタイルの変容なのかもしれない。