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連載・75 恋するフォーチュンクッキー。

お料理エッセー・そら豆のひとりごと。

AKB48の歌で、大ヒットした曲に「恋するフォーチュンクッキー」がある。
ちょっとテンポがゆっくりめで、歌いやすいメロディーのように思う。
一回聴いたら、ときどき口ずさみたくなるような、歌である。
サビのところで「恋するフォーチュンクッキー、未来はそうわるくないよ」というような、励ましの語りかけが入ってくるところが、歌ってみると自分で自分へのエールになってくる。

フォーチュンクッキーは、何かテレビ番組で見かけたのだが、実際に作られて、食べられているクッキーだそうである。
ゴーフルのように薄い、小麦粉で練ったクッキーの丸い地に、メッセージを書き入れた紙切れをはさんで、二つ折りにして、その端と端を丸めるようにする。
カリッと焼いてあるので、一口食べると、中のメッセージカードが出てくる状態だ。
そのメッセージカードに、「きょうの運勢」が書かれているので、占いができる、というわけだ。

歌では、「まあ、占ってみましょうよ。未来は今あなたが悲観しているほど、わるくはないわよ」と、そういう表現となっている。
乙女たちに人気の「占い」であるが、クッキーという、バニラの甘い香りがする、お砂糖のたっぷりかかったお菓子にすることで、かわいらしい歌になった。

海外でもこうした習慣があって、フランスの焼き菓子では、フェイヴという、小さな陶器のおもちゃのようなものを、入れるのだそうだ。
そして、これは大きめのパイなどであるが、何人かで切り分けたときに、フェイブが入っていた人が「当たり」「幸運」「きょうのお姫様」となる、面白い趣向である。

ここから連想するのが、ロシアンシュークリームで、小さなシュークリームが六つ大皿の上に乗っているのだが、ほかの五つは、中味は、甘いクリームなのだが、ひとつだけ、辛子とわさびの特製クリームとなっている。
お笑い番組の、タレントのお遊びで、こんなことをしていたような気がする。

3月、4月の、新入学のシーズン、緊張する友達や恋人、あるいは我が子に、楽しいフォーチュンクッキーを焼いてあげるのも、ちょっとした楽しみである。
中のメッセージカードには「大丈夫。きっとすべてよくなるよ」と、かわいらしいチョコレート色のペンシルで、書き記して贈ろうと思う。