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NHK「マッサン」第7週「触らぬ神に祟りなし」感想。

大好きな、朝の連続テレビ小説「マッサン」も、放送が11月になった。
後期の朝ドラは、秋から冬そして春までの長い期間になる。
見ているほうとしては、あわただしい年末、寒い冬の支度、お正月、年明け、年度末、子どもたちの卒業シーズンと、人生の動きが忙しい季節である。
「マッサン」が始まったころはまだ、紅葉も始まったばかりだったのに、今は寒風が吹き始めている。
「巣ごもり」のリビングに、楽しいドラマ、これもまた、冬の風物詩のようだ。

今週の「マッサン」は、政春の仕事はどうなったのやら、エリーも仕事を見つけるはずがどうなったのやら、よその家のことに、まさに首をつっこんでの、大騒動である。
政春とエリーは、家賃が払えず、やむなく家主のところに行って直接話をすることになる。
その家主は、野々村さん、という資産家風の大きな家であった。
ここの子どもたち、幼い娘ふたりに、英語を教えてあげれば、家賃は待ってもらえる、という話がまとまる。
エリーは、英語教師という職に就くことになった、という状況である。
お給料は、家賃と差引、ということで、時給いくらなのか、はっきりとは決めないようだ。

政春のほうは、「こひのぼり」という居酒屋、一杯飲み屋で、皿洗いのアルバイトをしている。
この皿洗いのほうは、一応は安定しているようである。
それでも政春は、ウイスキーの夢はあきらめていない。
なんとか、自分で資金を作って、ウイスキーづくりをしよう、と基礎の基礎から始めるようだ。
皿洗いのアルバイトが安定したところで、次の「一攫千金」になる仕事を模索し始める。
それが、パンを焼いて売る、という仕事である。
庭に、パン焼き釜を、レンガを積み立てるところから、始めている。

どうも政春には、こうして自分の手で何かを作って、それも口に入れるものを作って売る、という職業に目が向くようである。
パンは発酵食品であるから、ウイスキーとも作り方が共通するところがあるのだろう。

こうして、酒造会社を辞めてから、ある程度、家賃も食費も安定したところで、次の段階に取り掛かっている状況であるが、男のサクセスストーリーを考えると、まだまだ始まったばかり、というところである。

ところで、今週の、エリーと政春には、英語会話教師の仕事がらみで、小さな子どもたちがご夫婦の間に、いろいろな形で入ってくることになる。
あらかじめ知っておきたいのだが、このご夫婦は、モデルとなったご夫婦も、子どもさんには恵まれなかったようだ。
しかし、人間は大人になっていく過程で、夫婦としても、社会人としても、いろいろな形で、小さな子どもたちとの関わりは、持つものだろう。
そして、エリーの母性や、養育者としての力、女性的魅力も引き立つところである。

また、政春としても、仕事の大成だけではなく、あるいはそのためにも、今は人間的な力を養っている時期だ、と言える。
新婚で日本に来てから、まだ一年も経っていない時期で、仕事の基礎となる家族関係を、築いている状況なのだろう、と思う。

考えてみれば、仕事の成功も、人生の充実も、家族なしでは語れない。
いずれ仕事が忙しくなれば、省みる時間も少なくなってしまうのが、家族なのだろう。
今、時間のある時に、若いときに、家族という基礎を築くのはよいことであり、必要なことなのだろう、と思う。

そしてまた、考えさせられるのは、結婚というのは、「ふたりだけ」でするものではない、ということである。
ともすれば、結婚のときには、夫婦ふたりだけの世界を作りたいものかもしれない。近年では、そうした傾向がとても強くなっているように思える。

しかし、エリーと政春を見ていると、ご近所の別嬪同盟の皆さまや、英語教師の生徒や、仕事仲間、飲み屋の仲間、とたくさんの人々のネットワークのなかで、夫婦という一組の組み合わせが、居場所を得ているように思える。

年長の人や、年下の人たちとの、密接な関わり、時には親しみを越えた関わりが、人の心を開いていくようにも思えた。
「触らぬ神」というのは、人の心の、踏み込んではいけない領域なのかもしれない。
その場所に踏み込んでいく力が、エリーにはあるのかもしれない。
ときには、それは、必要なものだ、と思えた一週間だった。