2014年11月2日日曜日

NHK「マッサン」第5週「内助の功」感想。

今週も月曜日から土曜日まで、「マッサン」を観た。
始まってからもう一か月となる。
とても好調で、たくさんの人に親しまれているドラマであるようだ。
私も、友達と「今朝のマッサン、観た?」とお話しするのが、楽しみになってきた。
話にも登場人物にも、どんどん感情移入してきて、朝、「おはよう」を言うのが楽しみになってくる。
主題歌「麦の唄」もすっかり覚えて、携帯電話のアラームには、「麦の唄」が鳴るように仕掛けてある。

今週のテーマは「内助の功」ということで、とても注目していた。
政春が、ウイスキー造りを許してもらえるように、つまり資金提供をしてもらえるように、株主たちに頭を下げ、プレゼンテーションをする。
最初は「こんなに煙のにおいがするお酒ですか?」と懐疑的な反応だった。
そのときに、妻のエリーが、スコットランドの郷土料理を作って運んできて、「ウイスキーにとても合います」と、株主たちに振る舞う。
株主たちも、思わず拍手して、「夢は素晴らしい」と言ってくれる。
こうした、女性なりのふだんの家事やものの見方から、手助けをすることが、「内助の功」というのだろう。

だがしかし、「夢だけではうまく行きません」と却下である。
そして、政春も、辞職を迫られる。
ウイスキー造りの夢はきっぱりあきらめて、住吉酒造で働くか、もしも、これからもウイスキー造りを続けるなら、資金提供と優子さんのお見合いの話をお断りさせていただきます、ということなのである。

私は「男のサクセスストーリー」を、観てみたいと思っていたのだが、やはりその道は険しいようである。
何にしても、「先立つものはお金」ということである。

夢のために、資金を得ることは本当に厳しい。
政春のウイスキー造りには、大きな銅製の機械「ポットスチル」を特注で作ってもらうことが必要なのだが、その資金がどこからも出ない、ということなのである。

「金は天下の回りもの」というが、回ってこないところには回ってこない。
こんなに大きな夢があって、勉強も研究もしてきて、ヤル気も実力もあるのに、お金がない。
こうした若者に、チャンスということで、「お金」を、提供してくれはしないものだろうか。
世の中はそんなに甘くない、ということなのだ。

現代の世の中では、専門のインターネットサイトがあって、若者が夢をプレゼンテーションして、その夢に協同する人が、ほぼ無償で、資金援助をする仕組みがあるそうである。

本当に、ありがたいことである。

これから、政春はどうするのだろう。
仕事を辞めるしかない政春、絶望の淵にいる政春を、妻のエリーは背中からそっと抱きしめて、歌を歌ってあげる。
女性の歌声というのは、こんなにも優しく温かいものなのだろうか。
これも、内助の功、というものだろう。

妻のエリーはまた「私は、マッサンの夢を食べて生きていける」という。
ありがたい妻である。
まるで霞を食べて生きていく仙人のようである。
現実が、見えていない夫婦が、若々しくて愛らしいかんじがする。

これから、政春はどんなふうに資金を得るのだろう?
来週は、住吉酒造を辞職した政春の、転職期間が始まるようである。

今の日本でも、リストラされた男性がとても課題となっている。
夫がリストラされたときに、妻はどんなふうに振る舞って、支えるのだろう?
だいたい、リストラされた男性というのは、どんなふうになるのだろう?
もしかしたら、自暴自棄になるのだろうか?
奥さんに対して、甘えたり八つ当たりしたりするのだろうか?
時には、リストラされたことを妻に言わないで、毎日、妻の作ったお弁当を持ってネクタイをしめて、会社に行くふりをして朝玄関を出て、そのまま一日中、公園で過ごす夫もいるそうである。

どんなふうに、政春は、「荒れて絶望する」のだろう?
それを、どんなふうに、エリーは、支えていくのだろう?
どんなふうに政春は、乗り越えていくのだろう?

来週もとても楽しみである。