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連載・82 チーズトースト

お料理エッセー・そら豆のひとりごと。

師走となった。
なぜ忙しいのかわからないが、時がスピードを上げて、走り去っていくかんじがする。
年末の用件を、紙に書きだしてみる。
年賀状書き、クリスマスの予約、おせちの昆布巻き、大掃除、お歳暮の発送…。
今年はできるだけ簡素に、用件も少なく済ませよう、と思うのに、まだまだたくさん、メモ帳が足りない。
最近では、奥さまがたも考えて、12月にはいったら、一日一用件、ということで、手際よく着々とすべての用件を片づけて行こう、というカレンダーまで販売されている。

その用件の合間、合間に、クリスマスパーティがあって、冬休みがあって、「楽しまなければならない」気持ちにもなる。
できれば、ゆっくりとした年の暮を迎えたいものだ、と思いながら、やはりあわただしく立ち上がっては、手を動かしている。

忙しい年末は、おなかが空いておやつにしたい、というときがある。
あるいは、ちょっとした手間でランチを済ませたいときもある。
そうしたときに役立つのが、チーズトーストである。

私も、お昼を簡単に済ませて午後の仕事に入りたいときには、このチーズトーストを作る。
チーズとケチャップの独特な濃さと、トーストのサクッとした軽さが、素敵なバランスである。

市販のスライスチーズは、いったい誰が考え出したのか、「食パンの大きさで、薄くなっているチーズがあったらいいな」と、おそらく「みんなが」思っていた時期に、発売されて、あっという間に広がったかんじがする。
サンドイッチにするなら、ふつうのプロセスチーズでOKだが、チーズトーストにするなら、ぜったいにおすすめなのが、「とろけるチーズ」である。
トースターの熱で、溶けるのである。
ちなみに、「溶けない」タイプのふつうのチーズでも試したことがある。
これはこれで、いけないことはない。
でも、プロセスチーズというのは、やはり熱では、とろーりと伸びるような溶け方はしないようである。

食パンにケチャップを薄く塗り、好きな人はもっとたくさん塗り、その上に、とろけるスライスチーズを乗せる。
オーブントースターで、これをトーストする。
トースターの機種によってもちがうが、だいたい3分くらいだろうか。
この3分を待つ間に、コーヒーをいれておくのも一案である。
できればカフェオレがいい。

あつあつで、サクサクのところを、いただく。

今年はいつもにも増して、あわただしい年末となりそうである。
お母さんやお姉さんに頼むよりも、ちょっと自分で、トースターにパンを乗せてみるのもいいんじゃないだろうか。
パンが焦げてくる香りをかぎながら、背伸びして肩を回してみるのも、それもそれで、とてもいい師走である。