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自民党・公明党の連立に関して思うこと。

ゴールデンウィークが終わって、国会のほうも、にぎやかさを増してきたようである。
6月の会期末に向かって、憲法改正のために、一直線に走ろう、という政治の意図が、見て取れる。
与党自民党がまず行っているのは、連立政党である、公明党との関係性の、調整である。
これまでも常に「調整中」であった。
しかし、憲法9条の改正のためには、そろそろ、公明党としても、態度に決着をつけなければならないだろう。
本来であれば、政治としては、駆け引きであったり交渉であったり、話し合いであったりする。
話し合い、論じ合えば、これまでの考えが、だんだん変化していくこともあるだろう。
しかし、公明党は、日本においては、独特な政党である。
というのは、公明党は、支持母体を、創価学会という宗教団体においているからである。
公明党の支持者は、ほとんどが創価学会員である、といえるだろう。
選挙運動においても、創価学会員が、選挙運動を積極的に行っている。

この創価学会という宗教団体は、宗教はどこもたいていそうであるが、「平和」「友好」「話し合い」を信条としている。
また、核兵器廃絶運動なども、積極的に行っているようである。
核兵器と原子力発電所とでは、ちがいがあるからなのか、公明党として、反原発や憲法改正に対しての反対、という意思表明は、はっきりと出されていないいようである。
こうした、宗教的理念が基底にあるので、これから先、憲法改正に関して、賛成、という方向性は、ないと思われる。
ここが問題である。
「戦争を絶対にしない」ことをモットーとしている思想団体が、憲法9条の改正に賛成するわけがない、ということである。

この点に関しては、自民党の考えは、「公明党に何を話しても変わるわけない」というところだろうか。
それは、ある意味、宗教に対する、評価であり期待でもありかもしれない。

公明党はこれから、どんなふうになっていくのだろう?
自民党から三行半を突きつけられるのだろうか。
そういうこともあるだろう。
もしも、自民党から離脱することがあれば、しかしこれは、ちょっとこわいことにもなる。
というのは、反原発の勢力、反憲法改正派の勢力は大きくなっているからである。
民主党や維新の会、みんなの党や社民党と一丸となって、反原発の一大勢力となって、「オール野党」を結成する可能性は大いにあるだろう。
その際には、今、与党の独裁が問題視されている日本だが、本来の二大政党制として、バランスが取れてよいのかもしれない。

ただ、オール野党となるには、公明党の「宗教性」がハードルになってくるのだと思う。
反原発、憲法改正反対、という理念は同じでも、「宗教はちょっと…」というところだろうか。
しかし、昔はともかくとして、創価学会員は、けっこう身近なところにいて、普通に暮らしていて、別にそんなに悪人というわけではない。
組織的な犯罪事件なども、起こしていない。
創価学会のほうから、OKが出されれば、公明党と民主党を中核として、オール野党の勢力は高まっていきそうである。
これで、1年以内に衆議院解散総選挙となって、政権交代でもあると、面白いことになりそうだ。

それが一番いいような気がする。
創価学会の宗教的平和と、今、日本の社会にある市民運動には、共通項がいくつもある。
新しい時代、エコロジーな、命と自然を大切にする社会づくりには、とてもよい勢力になりそうだ。
こうした力が、自民党の保守系、そして国防軍系の、戦略的な勢力と拮抗するようになれば、日本社会の建設的討論は深まりそうである。

ただ、心配なのは、日本の皆さんが、創価学会、法華経、日蓮、といった思想を、考え違いしてはいないか、という点である。
日蓮の思想は、その闘争的な激しさにおいて、鎌倉仏教の興隆の時代から、とても特徴的であった。
同時代の阿弥陀信仰(お念仏、法然、親鸞)といった信心は、仏像に向かってお念仏を唱えれば、死後に極楽浄土に行くことができる、こうした教えを静かに広めましょう、心を穏やかに保ちましょう、という教えである。
しかし、日蓮の教えは、「折伏」といって、考えをぶつけあい、討論し、相手の考えを「折って伏す」という布教法である。
そうした激しい布教が、戦後の日本で行われ、和を尊ぶ日本人からは、嫌われてしまったようなところがある。

今でも時折、聖教オンラインなどを見ると、「戦い」「勝て」「大勝利」「進軍」などという文字が、かなり大きな活字で、躍っている状況である。
もしかしたら、創価学会というのは、よくよく聞いてみたら、戦争が好きなのではないだろうか…。
いや、理念のためなら戦う、という思想が徹底している宗教団体なのではないだろうか。
また、創価学会員には、常識人もたくさんいる。
正義のために戦う権利、というと、すでに大きな声で叫んでいる状況である。

とすると、自民党がこの「戦う宗教団体」を、「宗教だから」という名目で憲法改正のメンバーからはずそうとしているのは、なにかの見当違いではないか、と思えてくる。
あの、軍隊調の音楽や歌、整列した若い男性の「部隊」など、そのまま日本軍の軍隊に使えそうである。
もしも、憲法改正をして、9条が改正になり、日本が正規の国防軍を持つことになれば、まっさきに中核となって働いてくれそうなのが創価学会員ではないか。

これは、自民党としても、判断のしどころではないか、と思えてくる。
今後の展開が、楽しみである。