NHK「花子とアン」職業婦人・醍醐亜矢子女史。

4月から、毎週の「花子とアン」の感想を綴っている。
週ごとにストーリーを追いかけている書き方であるが、ここで、登場人物のひとり、醍醐亜矢子女史に、スポットを当てて書いてみたいと思う。
醍醐さんは修和女学校時代からの、花子の学友である。
花子が女学校に入学したのはまだ、「小さい人たち」と呼ばれる10歳ごろであるが、その当時、先に入学していて「はなさん。お友達になりましょう」と言ってくれた友達が、醍醐亜矢子さんである。
「はなさん。髪におリボンはつけないの? 髪におリボンをつけないのは、お着物に帯を締めないのと同じなんですって。よろしかったら、私のおリボンをさしあげるわ」と言って、自分のリボン箱のなかから、花子に、大きな花のようなリボンをプレゼントしてくれた友達である。
この醍醐さんは、成長して、職業婦人になるのだが、大正時代、昭和の時代、と日本の最先端の時代を東京・銀座で生きるのであるから、さすがに素晴らしいファッションセンスである。
まさに、「歩く文明開化」と呼びたいほどである。

醍醐さんは華族出身であるようだが、まさに明治から大正、昭和と、このドラマを文明で彩ってくれている。
花子の「腹心の友」は、蓮子さんであるようだが、醍醐さんもまた親友のひとりと言えるだろう。
この醍醐さんは、女学校の卒業当時は、婚活にうちこんでいた。
永久就職を求めるタイプだったのである。
どちらかというと、清純でおとなしめ、芯の強い醍醐さんには、いい家に嫁ぐのが一番向いているようにも見える。
しかし、決まりかけていたお医者様との縁談をやめて、職業婦人になることにした。

出版社で、花子の同僚を務め、花子のサポートもしてくれる。
そして、白蓮事件のあとでは、白蓮のことを、フリージャーナリストとして取材して、連載、そして、一冊の本にまとめるのである。
これは本当に、当時の最先端の職業であっただろうと思う。
蓮子と醍醐さんも女学校で同級生であったわけだから、ここで、花子、蓮子、醍醐亜矢子が、女流文筆家として仲良くそろうわけだ。
女学校時代の卒業生がこうして、社会で活躍する職業婦人になることは、本当にすがすがしい女性の生き方である。

しかし、醍醐亜矢子にも、「結婚」「恋愛」は、なぜかとてもむずかしいハードルであるようだ。
平成の現代でも、仕事を持つ女性は、いつの間にか年齢が上がってしまっていて、よい出会いがない、という状況で30代を迎えている。
本日の放送で、女学校時代の思い出を「20年も前のこと」というセリフがあったので、三人とも、醍醐さんももちろん、35歳にはなっているはずである。

醍醐さんは、花子の実兄である吉太郎と出会い、お互いに好意を持ったようである。もちろん、花子を介して出会った状況であり、このあたりの人間関係は、兄弟、姉妹、家族や幼なじみ、といった出会い方になっていて、昭和初期の人間関係を、詳しく見る気がする。
現代では兄弟同士で顔を合わせることも少ないかもしれない。

それにしても、醍醐亜矢子の恋愛は、唐突である。
吉太郎は憲兵であり、以前は社会主義者である宮本龍一を秘密任務で追いかけていた。
その宮本龍一と駆け落ちした蓮子さん、その友達の花子さんと醍醐さん、となっていて、村岡家で、一同に会して、お昼弁当にお稲荷さんなどを一緒にいただいている状況である。
白蓮事件をジャーナリズムした醍醐さんと、宮本龍一を追っていた吉太郎が、どうして一緒になれるはずがあろうか?というところである。

このあたりはまだおいておくとしても、NHKのドラマはいつも、なぜか、女性のほうから「好きです」の告白である。
これは、NHKの朝ドラでは、もしかすると必須の条件であるようなことを聞いたことがある。
朝ドラの視聴者は、年配のかたが多く、お見合い結婚や家同士の結婚であったために、「(今の結婚にも満足しているけれど、できるならば)好きな人と結婚してみたかった」という女性の声が高いのだそうだ。

それにしても、女性のほうからの、「好きです」は、いかがなものであろうか。
私は、絶対的に、「好きです」の告白は、男性からであるべきだ、と考えている。
というのは、男性にも、告白する権利、というのがあるのではないか、と思うからである。
また、男性の側にも、事情というのがあるのではないだろうか。
たとえば、心のなかに忘れられない初恋の女性がいる、とか、郷里に残してきた婚約者がいる、とか、今は仕事が充実しているので、恋愛や結婚は考えられない、とか、正直いってあなたのこと好きじゃない、とかいう事情である。

そういえば、吉太郎の初恋の人は、蓮子さんだったし、醍醐さんも以前は村岡英治を好きだと言っていたし、これはいったい、どういう人間関係なんだろう?

そういうわけで、愛の告白は、結婚を含めて、男性の側で、心の準備、環境の準備、覚悟と忍耐力が定まってから、男性から計画的に決心して行うのが、一番良いと思う。
これは、女性が、自分の心や立場を守るための、大切な心得でもあると思う。
ドラマのなかでも、職業をしているだけに、活発で積極的で発言力もある女性が、その積極性のままに愛の告白をして、あとから男性を困らせて、結局は傷ついている。
「あなたには、自分よりももっとふさわしい男性がいます」
こんなひどい言い方をされるなら、壁の花になって、静かに申し込みを待っていたほうがよいのではないか、と思う。

醍醐さんの仕事ぶりについては、またこれからも、働く女性として楽しみなところなので、注目して、みならっていきたい。
「花子とアン」の登場人物は、どのメンバーもとても魅力的で、一言では語れない。これからもとても楽しみである。

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