NHK「花子とアン」第12週「銀座のカフェーで会いましょう」感想。

女学校を卒業してから、10年が経った。
山梨で教員生活をしてから10年、ということである。
花子は次の曲がり角を曲がり、東京へ上京して、花のOL生活、職業婦人のライフシーンに移ることになった。
初めて見る、というわけではなかったはずだが、職業婦人となってからの「大人の」東京は、またもっと、楽しみが増えたようである。
それが、「銀座のカフェー」というわけである。
この時代の職業を転々としている妹のカヨが、この銀座のカフェー・ドミンゴで、序給さんをしている。
花子の職業婦人ライフも、この銀座のカフェー・ドミンゴと会社と自宅を行ったり来たりしながら、進んでいくようである。
考えてみれば、職業をテーマとしたドラマでは、必ず「カフェー」という飲み物や食べ物が出てくる店があって、そこでのプライベートな語らいが、物語のストーリーを豊かにふくらませてくれるようである。
「あまちゃん」では、喫茶リアスがあったし、今度7月から始まる月9の「HERO」でも、仕事が終わってから行く店が、とても重要な役割を果たす。
「花子とアン」では、カフェー・ドミンゴが重要な舞台となるようだ。

考えてみれば、誰もがそうだと思うが、学生時代や職業時代もずっと、カフェーでの待ち合わせ、カフェーでの語らいは、とても大きな友情や恋愛の舞台であったと思う。
私も、行きつけだったカフェーを思い出した。
そうしたところで待ち合わせをするのは、楽しかったと思う。
それは必ず、コーヒーと軽食のおいしい店だった。
私の思い出では、クラブサンドイッチがとてもおいしい店で、人気があったと思う。

誰にとっても、仕事も友情もはずせない大切な場所、それがカフェーである。
これは、明治時代に始まった文化なのだろうか?
それとも、江戸時代から茶店くらいはあったような気もする。

文学喫茶というのも、とても懐かしい。
「そうそう、あんなかんじ!」と手を打って喜んでしまった。
必ずああいった、独自の文学論をぶつ書生風の男子がいて、舌を巻いたものである。
シェイクスピア、チェーホフ、舞台のことや、社会風刺もあった。
なかなか魅力的な文学喫茶である。

花子はここで、将来の夫、村岡英治と交流をあたためることになる。
また、腹心の友である、蓮子との再会もこの場所である。
村岡英治との、結婚にいたる経緯つまり、恋愛の進み具合であるが、NHKの朝ドラとしては、ここが一番のクライマックスなのだから、しっかり進めてほしいところであるが、正直、「告り」のシーンでは、本当にがっかりした。
こんなありきたりな「告り」じゃあ、残念至極である。
ラブストーリーの本当のポイントというのは、ヒロインが初めて告る場面であり、ふたりが気持ちを確かめ合う場面である。
ここにどんな素晴らしい詩的な要素を組み入れることができるか、ここがフィクションの腕の見せ所ではないか。

それが、雨の夜…(ありきたり)
偶然ふたりきりになり…(あちがち)
風が飛んで…(どっかでみたことある)
偶然ふたりの肩がぶつかって…(どこだってそうなる)

そして、肝心の「告り」が、言葉で「好きです」だなんて、本当にそれが、作家なんだろうか、翻訳家なんだろうか……。

韓国ドラマだって、こんなことは絶対にない。
もちろん韓国ドラマの人気は「告り」のシーンのポエムにあるわけだ。
伊藤左千夫の「野菊の墓」だって、日本情緒あふれる美しい言葉のやりとりがあった。
日本文化の恋歌、相聞だって、万葉集だって、景色にたとえ、季節にたとえ、恋の気持ちを表現したものである。
それが、雨の夜に傘を落として「ガバッ」ってのは、がさつにもほどがある…。

というわけで、半年間の長きにわたってNHK朝ドラを見るための、一番の見どころで、がっかり、というわけだ。
あ~あ。

それにしても、ヒロイン花子の酒癖の悪さというのは、働く女性としてどうなのかと思う。
仕事を持てば、酒の席はあるだろうし、大人として一杯くらいは飲めないといけない。
それでも酒癖で周りに迷惑をかけるのは、女性としてはしたない。
私は、もともとアルコールは強い方ではないので、これは、家庭で父親と一緒に飲んでみたり、学生時代に女子学生同士で、どこまで飲めるか確かめてみたりして自分の酒量や酒のタイプを確認したからであるが、やっぱり外でいい大人の女性が、自分を見失うほどお酒を飲むのは、みっともないからやめたほうがいいと思う。

現代の日本でも、女性がお酒を飲むのは、当たり前になってきているが、それでもやはり、自宅で、家族やうちとけた友達と飲むにとどめたほうがよいのではないだろうか。
そして、会社の宴席では、雰囲気と付き合いのために、最初の乾杯はするけれど、ひとくち、ふたくちでやめておいて、あとはウーロン茶やオレンジジュースにしておくのが、女性としてのたしなみではないか、と思う。

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