ずっと昔、「目には目を。歯には歯を」という法律があった。
ハムラビ法典である。
これは、原始的な復讐法として知られている。
アメリカとテロの戦いは、とても長引いている。
アメリカとテロ、というよりは、アメリカと中東の戦いである。
2001年のアメリカ同時多発テロ以降、アメリカは、中東に対して、容赦ない武力行使をしてきた。
そして、中東とアメリカの溝は深まるばかりである。
その前には、イラン・イラク戦争があった。
あれから、どれほどの道のりで、問題が解決してきたというのか。
アメリカは、国内世論を背負って、ただそのときの気が晴れればよい、というだけの復讐をしてきたのではないだろうか。
中東問題はとても長い歴史を持っている。
もともとは、ヨーロッパから見て「アジア」「東洋」という位置づけにある中東は、そのエキゾチックな雰囲気から、魅力もあった。
しかし、ヨーロッパもアメリカも、中東から搾取を続けたのである。
それは、近年の、石油に関する搾取に続いている。
中東の問題は、単なるテロ対策ではない。
長い歴史的問題の解決と、宗教的教義の解決、そして何よりも、貧困の解決が、必要なのである。
総合的な見地に立脚して、観ていかなければならない。
そして、中東イスラムに、しっかりとした、豊かな独立国が築けるように、世界中で支援しなければならない。
目の前のことに追われて、憎しみを募らせるだけでは、何の解決にもならないどころか、これから先、ますますこうした、激しいテロを生み出すだけなのである。