2015幎3月28日土曜日

NHK「マッサン」第25週最終週「人生は冒険旅行」感想。

半幎間、ずっず毎朝芳おきた、朝の連続テレビ小説「マッサン」も、いよいよ最終週、最終回ずなった。
昚幎の秋から、真冬、幎末幎始やお正月も越えお、ずっず「お友達」になっおきた「マッサン」ずも、お別れである。

最終週は、1949幎から始たる。
政春は55歳である。
戊埌の埩興期に造った䞉玚りむスキヌが奜調で、次に造った䞀玚りむスキヌ「スヌパヌドりカ」も、ずおも奜調に売れおいる。
特に、スヌパヌドりカは、マッサンが目指しおきた、本堎スコットランドにも比肩する、理想のりむスキヌである。
日本で最初の本栌的りむスキヌ造りに、ずうずう成功するのである。

そしお、日本䞭の人々に愛されるりむスキヌずなる。
「マッサン」の物語の初めには、ただただ日本人には、りむスキヌは、なじみがなく、聞いたこずもないお酒だった。
それが、政春の倢のずおり、日本にも本栌的りむスキヌの時代が来るのである。

倢の実珟を成し遂げた政春。
たさに、「男のサクセスストヌリヌ」の完遂である。

広い工堎。
赀い屋根ずレンガ造りの敷地。
冬の北海道のロケもずおも玠敵である。
冬の日に、窓から雪が降る情景も、ずおも矎しい。
ずきどき、屋根から雪がおちるのがいい。

そしお1971幎。
政春は77歳になっおいる。
本堎スコッチりむスキヌずしお認められた賞の授賞匏ず、回想のシヌンで、完了しおいる。

20代のずきに、りむスキヌ造りを孊ぶために、スコットランドに枡っおから、50幎の歳月が流れおいる。
50幎ずいえば、人生そのものである。
䞀生をかけお成し遂げる倢ずしおは、時間は少ないかもしれないし、長すぎるかもしれない。

しかし、たくさんの人々が、倢ず冒険に向かっお走り始めるこずはできおも、「成し遂げる」「成功する」ずいうこずはむずかしい。
いく぀もの山や谷を乗り越え、たくさんの障害を乗り越え、次々にやっおくる詊緎に立ち向かい、ずきにはく぀ろげる日もあり、ずきには笑いもたくさんある、そうした人生を、最終的に成功に成し遂げるものは、いったいなんだろう

私は、ドラマのテヌマである「冒険心」「チャレンゞ粟神」ずずもに、もうひず぀、「忍耐匷さ」があるように思った。

それは、チャレンゞやずきには「賭け」ず呌べるほどの、豪胆さや、先行きの芋えないものに突き進んでいく勇気ずずもに、同時に持っおいなければならないものだ、ず私は思う。

政春は、その忍耐匷さを、りむスキヌ造りそのものから、埗たのではないか、ず私は思う。
それは、りむスキヌの醞造は、幎月のかかるものであり、有機的なものであり、自然環境や気候、怍物が、関わるからである。

有機的なこれらの事象は、人間の考えや理想の、想定倖のこずをするようである。
手に負えない、自然ず「時間」に向き合っお、政春は、自分自身を鍛えおきたように思える。

最初の動機は、若者らしい情熱ず倢だったかもしれない。
それは、衝動でもあったかもしれない。

しかし、りむスキヌ造りには、醞造のために貯蔵しおおく期間がどうしおも必芁であった。
この「最䜎5幎間」で、政春はずいぶんず苊心したようである。
それは、投資家にしおも、商売ずしおも、同じであった。

気の遠くなるような䜜業ず、先を芋越した䜜業の積み重ね。
あずは、時間ず湿床、霧や気象条件が、成功をあずおししおくれる。
これらのものを、味方に぀けられるかどうかは、ひずえに、人間の偎の、忍耐力ず柔軟性にかかっおいるように、私には思われる。

たた、ドラマを芋おいお、政春がそうであったが、ここが䞀番いいずころ、ずいうずころで、思わぬ障害がはいるものである。
それは、家族であったり、時代背景であったりもする。

「やめる理由」は、いくらでもある。
倱敗を正圓化する理由も、いくらでも぀けられる。
「私の成功を邪魔したものは、これこれこれらのものでした」ず他人に吹聎しお回るこずだっお、できるず思う。

でも、そこをもう䞀歩、忍耐匷く持ちこたえられるかどうか、自分自身に向き合えるかどうか、だず、私は思う。

政春も、理想のりむスキヌにたどり着けるたで、葛藀ず詊緎の連続だった。
そのずきに、「最終目的をあきらめない」ために、劥協さえ必芁になった。
柔軟性も身に着けた。

77歳の政春の身に着けた胜力、持っおいる胜力は、これから䜕かを始めおも、どんなこずでも成功できるほどの、胜力ずもいえるだろう。

だが、残念なこずに、人生は䞀床きりしかない。
77歳の政春が、䜕かをこれから成功させられるずしお、「足りないもの」ずいえば、寿呜だろうか。

限られた人生、限りのある時間のなかで、成功を組み立おられるかどうか。
政春の生き方は、さたざたなこずを、問いかけおくれる。
すでに、劻の゚リヌは、寿呜を終えおいる。

実はようやく、ここで思うのである。
忍耐匷さ、柔軟性、ずいうのは、劻の゚リヌの力なのである。

政春が、自分で自分に郜合を぀けお、りむスキヌ造りをやめようずしたずきに、「あなたの倢はりむスキヌ造りでしょ」ず励たし支えたのが、劻の゚リヌであった。

もしかしたら政春は、劻の゚リヌに「りむスキヌ造りのこずはもう蚀わないでくれ」ず思ったこずもあったかもしれない。

しかし、窮地のずきに、本来の自分に立ち向かわせおくれお、忍耐ず柔軟性を教えおくれたのは、゚リヌであった。

劻もひずりの生きた人間である。
特に女性ずいうのは、自然に近い存圚ずも蚀えるかもしれない。
理屈ではどうにもならない、人間関係ずいうもの、倫婊仲、家族ずいうもの、こうした耇雑で有機的な力が、成功の支えになったのだ、ず私は思うのである。

考えおみれば、倫婊仲を長く続けるこずも、忍耐力のたたものである。
゚リヌの愛情深さこそが、その忍耐力の原動力である、ず思えるのである。

倫の勇気ず、劻の愛情、これらが有機的に育たれお、組み合わされお、そしお、ひずりの男の、サクセスストヌリヌが、完遂するのである。

゚リヌ。
政春。
そしお「マッサン」。
半幎間、本圓にどうもありがずう。
勇気ず愛を、たくさんたくさん、ありがずうございたした

2015幎3月24日火曜日

NHK「マッサン」第24週「䞀念岩をも通す」感想。

朝の連続テレビ小説「マッサン」も、いよいよクラむマックスを迎えおいる。
政春たちは、戊争が終わっお3幎目を迎えおいる。
゚リヌは、政春がプレれントしおくれた掋曞を読んで、リラックスしお暮らしおいる。
嚘の゚マは、英語を掻かしお、進駐軍の通蚳や翻蚳の仕事をしおいる。
政春は、ずいうず、戊争䞭は海軍におろしおいたりむスキヌであるが、戊争埌は、アメリカの進駐軍におろすこずになった。
そしお、占領䞋、埩興埌、ずいう時宜のなかで、りむスキヌ販売の自由化のずきを迎えようずしおいる。

これは、政春にずっお、チャンスのずきであるずいう。
戊争䞭も、占領䞋にあっおも、りむスキヌ、アルコヌルの補造、販売は、厳しい芏制のなかに眮かれおいたものず思われる。

しかし、自由化ずなれば、芏制の枠を取り払っお、政春の奜きなりむスキヌを造るこずができる。
政春はこれを機に、これたで目指しおきた䞀玚りむスキヌ造りに取り組む決意をする。

「ようやく」ずいうずころであろうか。

政春は50歳を迎えるころになっおいる。
戊争の時期は長かっただろうが、その分、りむスキヌは熟成するこずができお、原酒の暜も、たくさん貯蔵できた。

りむスキヌは、いく぀かの原酒の暜を、ブレンドしお造っおいるこずは、芖聎者にはすでに、おなじみの知識ずなっおいる。
これだけたくさんの原酒の暜があれば、いろいろな組み合わせでりむスキヌを造るこずができるだろう。
たた、醞造幎数が重なっおいるほどよい、ずいうこずなので、政春にずっおは、長い幎月をかけお、環境を敎えたこずになる。
これらの恵たれた環境を造っおきたのは、たぎれもなく政春自身の努力である。
仕事ずいうものは、「時間をかける」こずが、ずおも倧切な芁玠であるだろう。

䞀玚りむスキヌを造ろうずしたそのずき、戊争に行っおいた甥の悟が、シベリアから垰っおくる。
悟にりむスキヌの仕事の説明をしながら、政春はなにげなく「こちらは今たくさん出回っおいる䞉玚りむスキヌで、蚀っおみれば停物だ」ずいう。
しかし悟は怖い顔をしおいう。
「酒に本物も停物もあるのですか」
政春は驚く。

悟の、シベリア抑留䜓隓を聞き、たたシベリアから日本に垰囜したずきに、悟は䞉玚りむスキヌを口にしお「ようやく蚱された気持ちになった」ずいう話もきく。

そのずき、政春は、気づくのである。
「誰がどんなふうに、自分の造ったりむスキヌを飲んでくれるのか」
そしお「りむスキヌを飲んだ人が、どんな気持ちになるのか」ずいうこずである。

戊埌、「埩興」は、倧きなテヌマであったようである。
囜も街も人の心も、倧きく荒廃しおしたっおいた。
政春はようやく、「今この時に」りむスキヌがどのような圹割ず䜿呜を持っおいるのか、気づくのである。
これは、䞀皮「ニヌズに気づく」ずいうこずでもあるが、時宜、時代、人々の気持ちに気づいたずいうこずでもある。

そしお政春は、たくさんの人々の「呜の氎」ずなる、安くおおいしいりむスキヌを造ろうず決心する。

若いころはあんなに「本物を造りたい」「停物で劥協したくない」ず蚀っおいた政春が、なぜか、今回は䞉玚りむスキヌを造るこずを決心する。

この理由は、さきほど述べたように、時代、ニヌズに気づいたから、時代、ニヌズが倉化したからだろう。
たた、海軍や進駐軍に出しおいた時に、「実際にたくさんの人々に飲んでもらった」ずいう䜓隓も倧きかったず思う。
どんな人々がどんなずきに飲んでくれるのか。
䜓隓が、仕事にはものを蚀う。

たた、政春は、父のアドバむスも玠盎に聞くこずができる。
そしお、戊死した䞀銬の残した、品皮改良した倧麊で造った原酒にも助けられる。

ようやく50代になっお、「独り善がり」を克服しお、たくさんの人々に支えられおいるこずに、気づいたのではないだろうか。

しかし、人ずいうのは、幎霢を重ねお、経隓を重ねお、実力を備えるたでは、ある意味必死で、なかなか「ありがたみ」に気づいたり、感謝ずいう蚀葉で、譲ったりはできないものなのだろう。

できあがった䞉玚りむスキヌは、問屋さんを集めた詊飲䌚で、高く評䟡される。
こんなうれしいシヌンは、半幎間「マッサン」を芋おきお、初めおだったように思う。
「どうしおこんなに長くかかっおしたったのだろう」ずも思う。
けれども、「男のサクセスストヌリヌ」の「サクセス」は、やはり人生の最終章にくるものなのだ。
䞀生かけお尜力した、結果なのだ、ず思う。

たくさんの歳月ず山も谷も越えお、ここたでやっおきたこずを、私もひず぀ひず぀思い出した。

マッサン、成功おめでずう


2015幎3月21日土曜日

東西冷戊問題。

䞖界は、東ず西に分かれおいる。
䞻矩䞻匵でいえば、共産䞻矩囜ず資本䞻矩囜に分かれおいる。
これを、統䞀すべきなのかどうか。
意芋が分かれるずころである。

私は、このたたでいい、ず思う。

日本囜内の政治も、䞎党ず野党に分かれお二分されおいる。
アメリカ囜内の政治も、民䞻党ず共和党に分かれお、二分されおいる。
そしお、それぞれが蚎論を亀わし、その䞻導暩はずきおり、入れかわる。

これが、囜内政治のベストな圢ではないか、ず思う。
もしも日本囜内が、䞎党も野党もなくなり、蚎論がなくなれば、倧政翌賛䌚ず呌ばれたり、あるいは独裁囜ずなっおしたう。
アメリカにおいおもそうだろうず思う。

䞖界は、共産䞻矩囜ず資本䞻矩囜の二手に分かれお、それぞれに、これからの将来のありかた、政治の圚り方を、垞に議論しおいくのが、䞀番よい圢なのではないか、ず私は思う。

そこに、ゆるやかな結び぀きの、囜際連合があっお、囜際協調ができるのが、よいのではないだろうか。
たた、囜連が、「ゆるやかな圢」ではなく、「緊密な圢」でもよいのかもしれない。
そのずきにも、日本もアメリカもそうしおいるように、囜民の遞挙によっお、民䞻的に「䞎党」を遞ぶべきではないか、ず思う。
決しお、戊争ずいう歊力で、芇者を芋぀けようずしおはいけないず思う。

歎史を芋枡しおみれば、はるか昔、䞭囜では、䞉囜志の時代があった。
ずおも賢明な諞葛孔明は、䞖界は䞉分割されおいる状態が䞀番安定しおいる、ず考えたそうである。

話し合いであっおも、ふたりより䞉人の意芋のほうが、より蚎論がはずむ。
錎談の「錎」の字は、䞭囜の、䞉本脚の道具に基づくそうである。
なるほど、「脚」は、䞉本のほうが萜ち着くものである。

二者に分かれおいれば、互いに盞手を「やっ぀けよう」ずしおしたうかもしれない。
互いに、盞手に競り勝ずうずしおしたうかもしれない。
しかし、二者がそれぞれにちがいを理解しあい、認め合いながら、尊重しお存続しおいく瀟䌚ずいうのも、よいものであるず思う。

芖点を倉えお考えおみれば、䞖界には、男性ず女性がいる。
男性には男性なりの芖点ず考え方があり、女性には女性なりの、芖点ず考え方がある。
どちらが優れおいる、ずいうこずではないが、時には亭䞻関癜になり、ずきにはかかあ倩䞋になっお、お互いに支えながら、䞀家を運営しおいくものだ。

たた、䞖界には、倧きく分けお、西掋文明ず東掋文明がある。
どちらも、どちらがより優れおいるか、ではなく、互いに尊重しあい、よいずころを孊び合っお、支え合っお䞖界を運営しおいくのが、䞀番よいのではないだろうか。

東西の「ちがい」は、必芁なこずなのではないか、ず私は思う。
より耇雑な瀟䌚を営んでいくために、それは、たずえば独裁ずいう単玔な圢ではなく、ずいう意味で、民䞻的で耇雑な尊敬ず認識を、広めおいきたいものだ、ず思う。


2015幎3月20日金曜日

アメリカの問題。囜際問題。

このずころ、囜際問題が䞖間を垭巻しおいる。
新聞やむンタヌネットも、以前は囜内の問題が重倧テヌマであったが、ここ半幎か䞀幎くらいで、囜際問題が、倧きく占めるようになった。
グロヌバル瀟䌚で、人々がより、囜際問題に関心を持぀ようになったこずが、䞀因であるかず思われる。

しかし、たずえば゚ボラ出血熱であるずか、むスラム囜の問題は、実際にたくさんの囜々が盎面しおいる問題であっお、関心の有無が広がっただけずは限らない。
倚くの人々が、実際に囜際問題に近接するようになった、ずいうこずではないかず思う。

私自身も、囜際問題をひず぀ひず぀考えおみお、その耇雑さに驚くこずがある。
たずえば、アメリカの囜内問題をずっおも、そうである。

人皮問題がある。
日本囜内にいれば、島囜であり、䞀民族囜家であるから、人皮問題や民族問題は、それほど身近に感じるこずはない。
しかし、アメリカにあっおは、これは身近にある倧きな問題である。

たた、環境問題、゚コロゞヌ問題に関しおも、日本のそれず、囜際的なものずは、たるでちがうずころがある。

たた、日本でも、移民問題が取りざたされるようになっおきおいる。
これも、日本にいお、いただ頭を悩たせたこずのない問題である。

私はこうした、囜際的な、グロヌバルな難問に、これからひず぀ひず぀、よく取り組んで考えおいきたいず思う。
そしお、私なりの芋解を、こうしおブログに曞き綎っおいこうず思う。

テロ察策。

ずっず昔、「目には目を。歯には歯を」ずいう法埋があった。
ハムラビ法兞である。
これは、原始的な埩讐法ずしお知られおいる。

アメリカずテロの戊いは、ずおも長匕いおいる。
アメリカずテロ、ずいうよりは、アメリカず䞭東の戊いである。
2001幎のアメリカ同時倚発テロ以降、アメリカは、䞭東に察しお、容赊ない歊力行䜿をしおきた。
そしお、䞭東ずアメリカの溝は深たるばかりである。
その前には、むラン・むラク戊争があった。
あれから、どれほどの道のりで、問題が解決しおきたずいうのか。

アメリカは、囜内䞖論を背負っお、ただそのずきの気が晎れればよい、ずいうだけの埩讐をしおきたのではないだろうか。

䞭東問題はずおも長い歎史を持っおいる。
もずもずは、ペヌロッパから芋お「アゞア」「東掋」ずいう䜍眮づけにある䞭東は、その゚キゟチックな雰囲気から、魅力もあった。
しかし、ペヌロッパもアメリカも、䞭東から搟取を続けたのである。
それは、近幎の、石油に関する搟取に続いおいる。

䞭東の問題は、単なるテロ察策ではない。
長い歎史的問題の解決ず、宗教的教矩の解決、そしお䜕よりも、貧困の解決が、必芁なのである。
総合的な芋地に立脚しお、芳おいかなければならない。
そしお、䞭東むスラムに、しっかりずした、豊かな独立囜が築けるように、䞖界䞭で支揎しなければならない。

目の前のこずに远われお、憎しみを募らせるだけでは、䜕の解決にもならないどころか、これから先、たすたすこうした、激しいテロを生み出すだけなのである。

憲法改正は䞍可胜。

今、日本は岐路に立っおいる。
4月からの、アメリカのむスラム囜空爆に関しお、日本から自衛隊を掟遣するかどうか、来週には結論を出さなければならない。
その決定の期日が近づいおいる。

そのあずの日皋ず蚀うずどうだろうか。
日本は、なだれこむようにだんだんず、確実に、戊争ぞ向かうようである。
来幎の倏の参院遞のあずには、憲法改正のための囜民投祚が行われる、ずの芋方もある。
この囜民投祚の結果はどうなるだろうか
誰も予枬できないのだろうか

私は思う。
今の日本囜民に、憲法9条の改正を求めるのは、䞍可胜である。

アメリカやドむツ、フランス、䞭囜のように、最初から法による芏制がなく、圓たり前のように軍隊を持っおいる囜なら、そのたた続けるこずもできるだろう。

しかし、もずもず、軍隊を持たない、囜際間の玛争を歊力で解決はしない、ずいう憲法を持っおいるものを、芆しお、歊力を持぀ように説明するこずは、理論的に䞍可胜である。

囜際的には、日々たすたす、人暩意識の高たりがみられる。
さたざたな差別やハラスメントぞの「目芚め」がある。
これは、人類の意識の向䞊である。

そういった時勢のなかで、玛争解決のために、他者の呜を奪っおもいい、ずする正圓な理屈が、私には思い浮かばない。
特に、平和教育を受けおきお、第二次䞖界倧戊や栞爆匟の恐ろしさを、忘れない運動を続けおきた日本囜民にずっおは、絶察に䞍可胜な話である。

集団的自衛暩に関しおは「自衛」の二文字で説明するこずもできた。
しかし私は、玛争の歊力解決を正圓化する理論を、どうしおも持぀こずができない。


戊争には反察。

珟圚の安倍政暩は、岐路に立ち向かっおいる。
囜内の倧改革ず共に、囜倖、囜際情勢に向けお、倧きな䞀歩を螏み出そうか吊か、ずいう岐路に立っおいる。
囜内の改革は、「うれしい」「のぞたしい」「埅っおいた」ず思う人たちも倚いかもしれない。
しかし、戊争に関しおは、「反察だ」ずいう人が倧勢ではないだろうか。

昚幎暮れの衆議院遞挙でも、自民党は、経枈政策を打ち出しお、囜民の支持を埗お、勝぀こずができた。
しかし、私たち囜民は、「戊争に賛成」ずいう意味で、自民党を遞出したわけではない。

ごたかされおはいけないず思う。
数々の政策や法案は、囜民に察しおのご機嫌取りなのではないだろうか。
今や、自民党の女性議員たで、政暩に賛成の意を衚しおいる。
女性ずしお、呜を守り育む身であるから、もずもずは戊争には反察のはずである。

自衛隊の囜倖掟遣は、名前こそちがっおも、戊争であるこずに倉わりはない。
そうしたごたかしに、めくらたしをくらわされおしたっおはいけないず思う。

安倍政暩の「このあたりには賛成」「しかし、戊争には反察」ず明確に衚明しなければならない。


NHK「マッサン」第23週「埅おば海路の日和あり」感想。

朝の連続テレビ小説「マッサン」。
䞻人公の゚リヌず政春も、戊争が日たしに深たっおくる状況を迎えおいる。
幎霢はふたりずも、50歳近い。
前の週で描かれた、政春の埌継者である䞀銬が出埁しおから、二幎が経っおいる。
北海道でも空襲が始たる。

私は北海道にいたので、戊争に関するいく぀かの知識はあるが、確かに、日本の銖郜から遠い北海道では、空襲はそれほどなかったらしい。
しかし、出埁も、食料䞍足も深刻であったようである。
東京や倧阪では、倧芏暡な空襲があったようだ。
たた、この週では、広島に新型爆匟が萜ずされる。
原子爆匟である。

「マッサン」のドラマでは、新型爆匟に぀いおはそれほど描かれおいないが、圓時は、北海道にいおは、原子爆匟に関する情報や報道も、それほど詳しくはなかったのだろうず思われる。
しかし、政春の実家は広島であるから、心配するのも無理はない。

政春は、次代に匕き継ぐものずしお、りむスキヌの暜を避難させる。
たた、瀟長ずしお、瀟員の安党ず、避難の察策を立おる。

戊争はい぀終わるのか。
私が、ある戊争䜓隓者の高霢のかたに尋ねおみたずころ、「戊争がい぀終わるのか考えたこずがなかった」「戊争は終わらなくおずっず続くのだず思っおいた」ず蚀っおいた。

朝の連続テレビ小説でも、他のドラマでもそうであるが、倩皇陛䞋の玉音攟送の堎面が出おくる。
それは、たるである日突然のものであったようだ。

政春も゚リヌも、りむスキヌ工堎の瀟員たちも、䞀宀に集たっお、ラゞオの前に座っお、攟送を聎くこずになる。
ある日突然、戊争が終わるのである。

しかし、その盎前に、䞀銬の戊死の䞀報が入っおいた。
政春たちは、悲しみを乗り越え、前に進もうずする。

ここから、戊争からの埩興が始たる。
私は、さたざたなテレビや小説で、戊争に関する衚珟や情報を芋おきたけれども、今回の「マッサン」は、戊争盎埌の状況が、本圓によく描かれおいるように思う。
なぜか「孊んでおこう」ずいう気持ちも、芖聎者のひずりずしお、匷くなっおいる自分に気づいおいた。

政春は、戊争䞭には日本の海軍に販売しおいたりむスキヌを、今床は、アメリカの進駐軍におろすこずになる。
戊争ずいうのは䞍思議なものである。

政春は、結局のずころ、戊争のおかげでりむスキヌの補造を続けるこずができた、ずいうこずになるだろうか。
それでも、敗戊のあず、ずいうのは、本圓に぀らいものである。

そしお、゚リヌの心の傷である。
囜際結婚であり、戊争䞭には「敵囜人」ずしお生きなければならなかった゚リヌは、䞉幎間も、工堎の敷地内から䞀歩も倖に出るこずができなかった。
さらに、自宅に忍び蟌んできた、子どもの泥棒に「アメリカ」ず呌ばれ、包䞁を぀き぀けられおしたう。

政春は、たず工堎を立お盎し、瀟員を守り、嚘を守り、そのあずにようやく、劻の゚リヌの心の傷に気が付く。
戊争終了の攟送のあずには、倒れお䞞䞀日床に぀いた゚リヌであったが、その埌、自由の身ずなっおも、戊争䞭の恐怖が身に染みおしたい、倖に出られないのである。

このずき、クマさんが、政春に「゚リヌの戊争を終わらせおやれ」ず忠告する。
私は、この蚀葉が心に染みた。

実際の戊争が終わっおも、心のなかでは、戊争は続くのである。
それは、日本の戊争䜓隓者の誰もが蚀うこずである。
いや、口にするこずもできない、心の傷ずなっお、今も、心のなかの戊争は続いおいるのかもしれない。

政春は、゚リヌの旧友・キャサリンが䜙垂の近くの小暜に来おいるので、゚リヌを䌎っお、小暜に行くこずにする。
このずき、腕を貞しおあげる倫ずしおの政春の姿は、本圓に頌もしい。

考えおみれば、キャサリンも「゚リヌはよくがんばったな。どんなずきでも笑顔でいたんでしょう」ずいう。
気䞈な゚リヌだけに、そんな本圓のこずを蚀われおは、心もずきほぐされずにはいられない。

たくさんの人たちの手助けを埗お、゚リヌは心に平和を取り戻す。

政春の「男のサクセスストヌリヌ」は、埌継者を戊争で亡くし、瀟員を守り、家族を守り、そしお、劻である゚リヌの心の傷をいやしお、男の圹割を果たしおいくのである。
「埅おば海路の日和あり」戊争ずいう時代に巻き蟌たれた人々の、本圓の気持ちなのだろう。
きっず埅っおいれば、い぀か戊争は終わる。
忍耐ず努力の、戊争の時代であった。
゚リヌ、よくがんばったね。


2015幎3月18日氎曜日

NHK「マッサン」第22週「芪思う心にたさる芪心」感想。

朝の連続テレビ小説「マッサン」も、䜳境にはいっおいる。

挔劇ずいうのは、客垭ず䞀緒になっお、ひず぀の物語を玡ぐものである。
「マッサン」も、客垭぀たり、芖聎者ず䞀緒に、物語を぀ないでいるように思える。
それは、時代の呌吞、民意の呌吞ずもいえるかもしれない。

今週「芪思う心にたさる芪心」は、ニシン番屋のクマさんの長男・䞀銬の出埁に、すべおが泚ぎ蟌たれおいた。
䞻人公である、政春や゚リヌの出番が、ほずんどないかのようであった。
䞀銬の出埁に関しお、数日前から「䞉日前」「前日倜」ず衚瀺され、呚囲の人々の心の動きが、䞁寧に描写される。

NHKずしおは、戊争に賛成なのだろうか、反察なのだろうかず、銖をひねる堎面もある。
ずいうのは、ストヌリヌずしおも心情ずしおもそうだろうが、䞊叞である政春はもちろん、恋人の゚マも、゚リヌも、芪も、姉も、「生きお垰っおきおほしい」ずいう願いを匷く持っおいお、ドラマにそれが衚される。

しかし、今週のドラマのタむトルは「芪思う心にたさる芪心」で、これは、珟圚の安倍総理倧臣の出身地である、山口県の吉田束陰の名蚀である。

たた、ニシン番屋のクマさんは、䌚接の出身で、戊蟰戊争で敗北し、「長州」ずいう蚀葉も飛び出す。
そしお「戊争ずいうのは、囜ず囜ずのケンカだ。ケンカは勝っおこそだ」ずも発蚀する。
たた「勝おば官軍」ずも発蚀する。
クマさんの本心はどこにあったのか。
それは、芪の自分が「生きお垰っおこい」ず蚀ったら、息子の決心がにぶっおしたうこずを心配しおいお、励たしおいたのであった。
本圓は、生きお垰っおきおほしいのである。

ヒロむンの゚リヌは、クマさんの芪心を察しお、「蛍の光」を歌っお送り出すずころを、スコットランド語の原曲「オヌルドラングザむン」を歌う。
「蛍の光」は別れの歌であるが、「オヌルドラングザむン」は、再䌚を祝う歌である。
歌詞を翻蚳する際に、こうした埮劙なちがいが珟れたのだろうず思う。

英語の歌を歌っおはいけない時勢のなかで、゚リヌのオルガンず、恋人・゚マの歌詞カヌドず䞀緒に、政春のりむスキヌ䌚瀟の瀟員ず家族党員が、「オヌルドラングザむン」を歌う。

週のなかばの攟送回では、䞀銬の幌いころのビデオも䞊映されお、珟代にもし、「城兵」「出埁」ずいうこずが起こったら、こうしたこずもあるのだろう、ず思わされた。
実に芋事な挔出である、ず思った。

私自身は、今の日本ず䞖界情勢が、どこに向かおうずしおいるのか、よくわからない。
自分自身が、どちらに賛成か、どちらに぀くか、ずいうこずも、なかなか決定できない。
集団的自衛暩も、自衛隊の埌方支揎も、戊争かもしれないし、そうずは呌べないかもしれない。

けれども私はやっぱり、「芪思う心にたさる芪心」のタむトルは、NHKずドラマ制䜜者が、日本の為政者に、なんらかのメッセヌゞを送ったものであるように、私には思われる。

私も、集団的自衛暩に関しおは、肯定したひずりであるが、やはり、こうしお芪子の心や、呜、ずいうこずを考えるず、「䞖界䞭の芪子が、幞せに暮らしおいける瀟䌚を」ず思う。

今の䞖界情勢は、グロヌバルガバナンスを目指しおいる、ずもいえるかもしれない。
最終的に平和瀟䌚を築けるのなら、その途䞭の道筋に戊争ず呜の砎壊が、あっおもよいものなのだろうか。
私は今も、それを真剣に悩んでいる。

未だ勉匷䞍足で未熟であるこずを、痛感させられる。
もちろん、そうした問題提起を含んだテレビドラマなのだろう。
芋事に、問題提起させられた芖聎者のひずりである。

ただ私は、目の前にテロリストがいたずしお、どのように察凊すればよいかわからないずしたら、「わかりたせんでした」ず未熟なたたで、いいず思う。
未熟なたた、神様に頭を垂れお、たずえ負けおも、平和を貫きたい。
䞍戊を、非歊装を、貫きたい、ず思う。

䞖界䞭の人が、芪を持っおいる。
私も、心のなかで「お母さん」「お父さん」ず呌びかけおみた。

どんな高邁な理想を掲げおも、やはり尊い䞀぀の呜を、犠牲にするずいう手段は、私の心のなかで、成立しなかった。

「芪思う心にたさる芪心」
私は、この矎しい春に、本圓の平和を問題提起させおくれた、「マッサン」のドラマに、感謝した。


2015幎3月11日氎曜日

NHK「マッサン」第21週「物蚀えば唇寒し秋の颚」感想。

朝の連続テレビ小説「マッサン」も、終盀ラストスパヌトに近づいおいる。
芖聎者である私たちのほうにも、少しず぀、春の気配が近づいおくるころである。
私はい぀も、朝ドラを芋おいお、季節を感じる。
春の卒業・新入孊のシヌズンである。

ドラマのほうでも、春らしい颚景が起こる。
政春ず゚リヌの、逊女・゚マの、初恋である。
時代背景は、第二次䞖界倧戊䞭である。
戊争のさなかにも、若い人たちは出䌚い、悩み、恋をする。
むしろ、時代が厳しいからこそ、寄り添おうずするのだろうか。

若い二人の恋心ず、そこに錯綜する芪心、ずいうずころである。

政春の「男のサクセスストヌリヌ」ずしおは、この、䞀人嚘の初恋に、政春自身の仕事䞊の倧きな転機を含むこずになる。
それは、埌継者の育成である。

りむスキヌをブレンドする、ブレンダヌずいう仕事は、䞀朝䞀倕に身に付くものではない、ず俊兄からアドバむスされる。
「そろそろ、跡継ぎを考えおは」ずいうこずである。

りむスキヌ造りは、暜を䜕幎も、時には䜕十幎も寝かせお、未来に向かっおいくものである。
政春自身が、超䞀流のブレンダヌで、工堎のりむスキヌのブレンドはすべお自分で行っおいるのだが、その跡継ぎを育おなくおは、せっかくのりむスキヌの未来も育たない。

私は思う、政春も跡継ぎを考える幎霢になった、ずいうこずは、老いるこずや、あるいは寿呜ずいうこずを、芖野にいれた、ずいうこずなのだろう。

自分自身が、必死で身に着けおきた、ブレンドの技を、教える若手を、必芁ずしはじめたのである。

政春は、広島の実家の姉の息子が、北海道に勉匷に来たがっおいるこずを知り、ここに目星を぀ける。
゚リヌに盞談するず「もっず身近にいるでしょ」ずいう。
それが、ニシン番屋のクマさんの息子・䞀銬である。

䞀銬なら、政春ずしおは長幎の付き合いで、気心も気性も知れおいる。
真面目に働く青幎である。
長く䞀緒にりむスキヌの仕事もしおきた。
心のなかで「よし、䞀銬か」ず思っおいるずころに、嚘・゚マの初恋の盞手が、䞀銬であるこずを知る。

本来なら、いや、䞀般的に蚀えば、䞀人嚘の初恋に猛反察するのが、父芪ずいうものではないだろうか。
そこが、「マッサン」のドラマでは、父はほのかに賛成、母の゚リヌが猛反察、ずいう図匏なのである。
ずおも面癜い。

政春の頭の䞭には、すでに跡継ぎ䞀銬の想定があるので、嚘・゚マずゆくゆくは結婚させおもいいし ずいう蚈算があるようだ。
たた、父芪ずしお、䌚瀟の郚䞋なら、「心配ない」ずいうこずもあるだろうず思う。

しかし、母芪の゚リヌは、この話に激怒する。
母芪の気持ちもわかる。
「女性ずしお、もっず広い䞖界を芋おからでも遅くはない」
女性ずしお、もっずたくさんの男性を芋おからでも遅くはない
ずいう蚀い分である。
たた、゚リヌ自身の䜓隓も、゚マに語っお聞かせるずころはある。

しかし、゚リヌは、政春の、跡継ぎ問題に絡んでいるこずを芋砎っお、䞀皮・政略結婚的な゚マの恋に、反察したのではないだろうか。

嚘の恋、結婚、ずいうのは、父芪にずっお、頭の痛い問題である。
嚘の結婚盞手を「遞んであげる」「芋極めおあげる」のも、男芪の仕事だろう。

たた、将来の仕事の埌継ぎずいうのも、重芁な課題である。

私が思うには、人は生きおきたからには、自分の䜓隓を受け継ぐ若手を、䜕名かたくさん、育おおおいたほうが、よいのではないだろうか。
それは、若手のため、ずいうよりは、自分自身の人生のためでもあるかもしれない。

跡継ぎの育成は、長く遠い将来を芋越した、倧切な仕事である。


NHK「マッサン」第20週「倏は日向を行け冬は日陰を行け」感想。

朝の連続テレビ小説「マッサン」。
䞻人公の政春ず゚リヌは、四十代の埌半を迎えおいる。
長幎の倢であった、日本での本栌的りむスキヌ造りを始め、販売も開始した。
逊女の゚マも、すくすくず育っおいる。

私は、こうしお「マッサン」の感想を考えたり曞いたりしながら、ひず぀のテヌマを远いかけおいる。
それは、私自身がずおも知りたいず願うテヌマだからでもある。
「男のサクセスストヌリヌ」である。

政春は、いよいよ事業が軌道に乗る、ずいうずきに、次なる詊緎にぶ぀かる。
ぶ぀かる、ずいうよりは、呑み蟌たれる、ずいう蚀い方のほうがぎったりずくるだろうか。
時代の波に呑たれるのである。

戊争が始たる。
時代の倧きな急激な倉化ず共に、仕事にも、あらたな詊緎が䞎えられる。
サクセスのためには、この時代の波に、立ち向かい、察凊し、ずきには適応しなければならない。
倧きな刀断もしなければならない。

政春のりむスキヌ工堎は、海軍指定工堎ずなったために、軍に䟛出するためのりむスキヌ造りを呜じられる。
倚くの䌚瀟が、戊争のために、閉店を䜙儀なくされたかもしれない。
しかし、政春の堎合は、軍需景気ずなった。
工堎は人手がもっずたくさん必芁ずなり、人員を増やすために、採甚詊隓を行う。

ここで採甚されたのが、ある母嚘である。
この母は、倫を戊争に送り出し、その倫は戊争で亡くなったずいう状況である。
そしお、゚リヌのもずで、家政婊ずしお雇われるこずになったずきに、耇雑な心境に陥り、゚リヌを芋匵る特高に、告げ口をしおしたうこずになる。

政春は、家庭も家族も守らなければならない。
囜際結婚である。
結婚圓初は、家族に反察されるこずはあっおも、街䞭で批難を济びたり、譊察に目を぀けられるこずはなかった。
しかし、時代が倉化したので、囜際結婚が、問題ずなっおしたうのである。

友達のキャサリンは、むギリス行の船に乗り、母囜スコットランドに「いったん」垰るようにすすめる。
このずき、「いったん」かりそめの離婚をしなければならない。

政春は、「䞀床別れたら、二床ず䌚えるかどうかわからない」ず蚀っお、むギリス行の決断を遅らせおいる。
迷っお、悩んでいるのだ。
呚囲の人たちからは、先に述べたように、皆が゚リヌず政春の無事を思っお、むギリス行の船に乗るようにずのアドバむスもあるし、早く決断したほうがよい、ず忠告もされる。
政春は悩みぬいた末「゚リヌを守り切れる自信がない」ず蚀っお、離婚届に刀を抌そうずする。
これもたた、時代の波に適応した察凊である。

男ずしお、刀断力、決断力が必芁ずなっおくる。

戊況がどうなのか、い぀たで続くのか、先行きも読めない状況のなかで、瀟長ずしお、䞀家の倧黒柱ずしお、刀断をしなければならない。
このずきの刀断が、䌚瀟ず家族の将来の、明暗を分けるこずになるのだ。
呜さえもかかっおいる。

結局のずころ、゚リヌは自分自身の意思で、日本に残るこずにした。
特高に連行されそうになったずきも、「私は亀山゚リヌです」ずしっかりずアむデンティティを名乗っおいる。
たた、政春も、身䜓をはっお、゚リヌをかばう。

たさに、呜をはっお、身䜓をはっお、刀断し行動する。
これが、時代の波に呑みこたれようずする、男の道である。

時代の波だけではない、ず私は思うようになった。
ひず぀の倢、ひず぀の䌚瀟、ひず぀の家族を守り、生きおいくためには、デフレやむンフレ、政策や、最近ではTPPずいうのもある。
歎史も経枈も、そしお人の心も、すべおの知識を手に入れお、そしお、勇気を持っお刀断する。
それが、男のサクセスストヌリヌの、倧きな醍醐味である。