現在の世界情勢は相変わらず、「よくわからない」というかんじである。
戦争が起こっているのだろうか?
戦争が起こっているとすると、誰が起こしているのか。
どこの国とどこの国が、戦っているのか?
なんだかまるでさっぱりわからない状況である。
それでいて「何かは起こっている」と、誰の感覚にも明らかである。
世界情勢について、いろいろな視点から考えてみた。
いくつかの仮説があるのだが、そのうちのひとつが、自分にとって、とても有力であるように思うので、ここに書き記してみたい。
二年半前、2012年の8月に、「アジア危機」が起こった。
あれから二年半で、今日まで引き続いて、世界の勢力分布図の変化が起こっているように思われる。
その勢力分布図の変化は、ここのところ、また格別に激しくなっているように感じられる。
どんな変化が起こったのか、考えてみた。
私は、北海道に在住していたことがある。
そこで起こったことが、とても今の世界情勢に似ているように思うので、それについて書いてみたい。
それは、プロ野球界の勢力分布図の変化である。
以前は、北海道といえば、田舎扱いであった。
特に野球は、道産子は野球が大好きなのだが、地元にプロ野球のチームはなく、高校野球も、「のびのび野球」と呼ばれ、一回戦で敗退して、故郷に帰ってきた。
それでも、「よくやった」「参加することに意義がある」と北海道の住民はとても満足だった。
いつのことだったろうか、ある夏に、高校野球で、一回戦を突破できたことがあった。
そして、二回戦も、準々決勝も、準決勝も突破できた。
あの有名校、この強豪、ひとつひとつ、くだすことができたのである。
西日本の有数校にも、勝つことができた。
そして、まさか、の決勝戦である。
私たちは、もうドキドキして、応援をした。
そして、決勝戦でも勝つことができた。
北海道に、津軽海峡を越えて、真紅の大優勝旗が渡ってきた。
北海道民は、「こんなに夏が長いのは初めて」「こんなに野球を応援したのは初めて」と、応援疲れしてしまうくらいだった。
それでも、一年目は偶然だ、と思ってしまった。
しかし、二年目の夏も、決勝戦まで進むことができた。
これが今もプロで活躍している選手の、高校野球の歴史に残る、名試合となった。
私たち北海道民は、「北海道だって、やればできる!」と思った。
商業を営む人も、受験生も、女の子も、目を真っ赤にして「やればできる!」と思った。
そして翌年からは、大人のプロ野球・日本ハムファイターズが、連戦連勝をし遂げて、日本シリーズも勝って、日本一になった。
もう偶然じゃない。
私たち北海道民は、自信を手にした。
でも、変化はそれだけじゃなかった。
北海道以外の、東北や、目立たない地域の高校や、プロ野球チームも「やればできる」と、自信をつけて勝ち始めたのである。
そして、以前は、巨人と阪神しかなかったようなプロ野球界は、まさに勢力分布図の変化を、どんどん遂げたのである。
それは今も続いていて、今はどのチームからも、大リーグに渡る活躍が可能である。
私が思うのは、「田舎で、弱くて、小さかった北海道の野球チーム」が、「田舎で弱くて小さかったアジアの日本国」に見えてくることである。
二年半前、アジアは、ロシアやヨーロッパ、アメリカが、おそらくは手を組んで、アジア侵略をしようとしたときに、それを打ち返した。
そして、翌年も、アメリカやヨーロッパの勢力を打ち返した。
もう、まぐれでも偶然でもない。
アジアだって、日本だって、「やればできる」のである。
今、アメリカの中東攻撃は止んでいる。
世界世論が、アメリカを許さないのである。
そしてもしかすると、「日本にだってできたのだから」と、強いチーム、強い国に対して、自信を持って、これまでの積年の思いを、ぶつけ返しているのではないか、と思えるのである。
あのとき、弱小だった北海道のチームが、全日本の野球人たちにどれだけの励ましを与えたか、ということを思う。
そして、もしかすると、弱小だったアジアの日本というチームが、世界中の、中東やアフリカ、南米の虐げられてきた人々に、励ましと自信を与えたか、ということを、思うのである。
現在、世界じゅうで起こっていることは、固定化していた世界情勢の急速な変化であり、虐げられてきた国や自信がなかった田舎の小さな国々の、抵抗と反乱と、活発化、活性化であるように思う。
これらは、戦争とは呼べないのではないだろうか。
これから、日本国は、どのように進路をとっていけばよいだろう。
世界中の、アメリカに屈していた国々に、「やればできる」と、勝ち続けることが、大事なのかもしれない。
もしかすると、そんなにこわいことが起こっているわけではないのかもしれない。
世界の勢力分布図の変化は、今年も、すごい勢いで活性化していきそうだ、と私は考えている。