NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」第22週「常子、星野に夢を語る」感想。

NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」第22週「常子、星野に夢を語る」感想。

「わたし、女の人のためになる雑誌を作りたいんです!」
常子が、愛する男性・星野に、夢を語る。
これまで、母と妹たちを守るために、自分の人生を捧げてきたけれど、「自分の夢ができたんですね」と、星野もほほえんでくれる。
男性は、恋をすると、恋人に、夢を語りたがるものらしい。
それも、本当に信頼していて、けっしてその夢をばかにしたりしない、そういう愛する女性にだけ、本心からの夢を語るらしい。
あなたは、愛する男性から、夢を打ち明けられたことがありますか…?

女性も、心から打ち解けあって、信頼できて、そしてその人と将来を共に歩みたい、と思うようになると、恋人に夢を語りたくなる。
私も、いろいろな夢を彼に語った。

私の夢は、とと姉ちゃんの夢と、よく似ている。
「女の人のためになる文章を書きたい」ということである。
読んでいてホッとするような、心が温まるような、勇気と活力が湧いてくるような、明日への希望の灯がともるような、そんな文章を書きたい。
…そうした夢を、恋人に語ってきた。
そして、彼はそれを心から応援してくれたし、アドバイスもくれて、助けてくれた。
ここまで来られたのは、頼もしい恋人のおかげである。

ところで、「とと姉ちゃん」では、雑誌「あなたの暮し」が、大変なことになっている。
商品試験の結果が、売り上げに影響する、ということで、企業にとっては、目障りな存在になってきたのだ。
常子も、相手のあることであるから、悩む。
でも、星野さんのところの息子さんが、粗悪品の電気釜で、やけどをしたことを聞いて、やはり、企業には、良心的な商品を作ってほしい、と、覚悟を決める。
「脅しには屈しません」と、輝く瞳と、ぎゅっと結んだ唇が、愛らしい。

私は今、常子の気持ちが、「すごくよくわかる~!」というかんじである。

商品試験というのは、世の中で販売されている、すべての品物に対して行われるべきだ、と思う。
誰もがそう思うだろう。
いっときの売り上げのために、宣伝文句を考えることが、売り手のすることではないと思う。
購入者の人が、安心して使えるように、誠心誠意、質の高い品物を提供することが、製作・販売をてがける者の心得である。

それは、文学作品や、文章、メディアに対しても言えることではないか、と私は、思っている。
庶民のために、受け取り手のために、本当に安全で質の良い「作品」を提供してほしい、そのために、試験と評論を行うのである。

私はそのために、主に女流作家の文学に対して、厳しいながらも、本気の評論を行ってきた。

その結果が、「赤羽根」さん、というわけである。

常子、負けるな!
メディアの誇りと自覚を持って、戦え!
権力には屈するな!
臆するな!

と、声を大にして言ってあげたい。

本当に、日本の世の中は、「良いものを良い」と言えない世の中になってしまった。
そればかりか、「悪いものを悪い」と言えない、沈鬱な世の中になってしまったようである。

女性たちが、その本を読んで、人生を誤るかもしれない。
人生の選択を誤り、恋愛を誤り、子育てを誤り、お金の使い方を誤り、何が正しくて何がまちがっているのが、判断力がなくなって、自分も家族もけがをする。
大やけどを負って、その傷跡が、一生、残る。

そういう文学作品を、世の中に放っておいていいはずがない、と私は思う。
粗悪品を、活字にして売るのは、やめてほしい。
質の高い文学作品を、誇りを持って、世に広めるべきだ。

庶民は苦しんでいる。
女性たちは何を道しるべにすればよいのかわからなくなって、安くて読みやすい文学作品を手に取るかもしれないが、結果、大やけどをしているのである。

私は、常子の夢、「女の人のためになる雑誌」を、もう一度、日本の世の中に取り戻したい、と思う。
そのためには、「悪いものは悪い」と言い切る勇気、そして、権力とは戦う気概も必要である、と思う。

戦後の日本の電化製品は、「暮しの手帖」の製品試験によって、他の国よりも、飛躍的に質が高くなった。
それが、戦後の高度経済成長期を支え、今も、「メイドインジャパン」は、世界に誇れるブランドなのである。

惜しいかな、日本文学には、今のところ、「メイドインジャパン文学」と誇れるほどのレベルがない。
それは、優れた批評家がいなから、優れた批評家を潰す土壌が根強いからである。

これからの、日本文学のために、真実に「女の人のためになる」ために、私も常子と一緒に、がんばっていきたい、と思う。

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