NHK大河ドラマ「真田丸」第10回「妙手」感想。

昨夜、NHK大河ドラマ「真田丸」を観たかたが、たくさんおられると思う。
私も、そのひとりである。

毎年、話題のNHK大河ドラマであるが、今年は、戦国時代を舞台として、信濃の一族・真田家を描くことになった。
戦国時代に通じている時代劇ファンにとっても、よく知っているところと、あまり知られていないところが、入り組んでいる、楽しいドラマである。

脚本家は三谷幸喜氏で、やはりNHK大河ドラマである「新選組」でも、話題のドラマ作りをしている。
今回も、期待が高まっている。

三谷幸喜氏の描くドラマというと、今回もそうであるが、「人間味あふれるキャラクター」である。
今回の「真田丸」でも、策師である、父・昌幸、その長男で堅実な性格の信幸、そして、主人公である、次男・信繁の性格や行動、そのちがいがよく描かれている。
また、それをとりまく女性たちのキャラクターや魅力も、存分に発揮されている。

私たちは、こうしたドラマが、キャラクターを中心に描かれるのは、とてもよいことだと思っている。
そうした描き方もある。

ただ、ここで思ったのは、父・真田昌幸と、次男・信繁の、「策」というものが、詳しくは描かれていないように思ったので、ここで今一度、おさらいしてみたい、と思う。

昨夜の放送回では、上野の沼田城を奪還したい、という戦略であった。
しかし、信濃から援軍を送れば、徳川に対して面目が立たない。
太平洋側から攻めてくる北条を、なんとかして、沼田から撤退させたい。

信繁は、父から任されて、この策略を練ることになる。
父にこうした戦略を任されることは、まだ若い息子にとって、とてもうれしいことである。
信繁は、「彼女」である、梅のところに行って、あれこれ話しながら、戦略を練った。

しかしここが、どんなふうにどんな戦略をこねたのか、あまり詳しく描かれなかったようである。

信繁の戦略とは、こうである。

越後の上杉が、軍の勢力をすごく強く持っていて、勢いがある。
そして、沼田城を攻める…「かもしれない」という状況を、作ることである。

強い強いと評判の上杉が、沼田を攻めてくる、とわかれば、太平洋側から攻めていた北条は、怖気づいて、撤退するにちがいない。

しかし、上杉には、今はまったくその気はないだろう。
また、越後では、内乱が起こっていて、沼田攻めどころではない。
軍の勢力も衰え気味である。

ここで、上杉が、「本当に」沼田を攻めてくれれば、真田としては、大助かりなのだが、上杉にはその気はない。

「なんとかしてその気になってもらう」のが、信繁に任された戦略である。

信繁は、越後と信濃の国境沿いのあたりで、「戦争ごっこ」を起こしてもらうことにする。
信濃が攻めて、越後が討つ。越後の勝ち、という構図である。

この「戦争ごっこ」は、なんのための芝居であるか。
越後・上杉に、軍の勢力が大いにあって、そして、南下して、信濃や上野を攻める気である、と証拠づけるのである。

もちろん、上杉としても、真田としても、ここで無駄に軍の勢力は使いたくない。
信繁は、それで、策を練ったのである。

「戦争ごっこ」のうわさがたちまち広がったところで、沼田の兵士たちに、「次は、上杉は、沼田を攻めてくるらしいよ」と、佐助を使って、噂をたてさせる。
これで、「上杉VS北条」の構図ができあがる。
「勢いにのっている」とみなされた上杉を恐れて、北条は、沼田城から、軍を引き上げさせた。

信繁の策、つまり、軍も兵士も使わないで、沼田から北条を引き揚げさせる、これは、成功した、ということになる。

ポイントは、「上杉に勢いがあり、一戦やらかす気もある」ことを、北条に印象付けたところにある。

昨夜の「真田丸」では、刃を突き付けられて、震えが来てしまった、兄・信幸と、数十もの刃を首に向けられたなかで、堂々と話をつけた、弟・信繁の、対照がきわだっていた。
これは、勇敢と呼ばれた信繁の、ヒーローたる資質を、表したものだと、思う。

これからも、戦国時代のヒーローたちから、生きること、生き抜くことの、極意を、学んでいきたいものだ、と思う。


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