2024年3月10日日曜日

🇺🇸🇮🇱バイデン大統領の一般教書演説 イスラエル

 

イスラエルはガザ市民を守る責任がある

国内の課題に対処する一方で、中東を含む海外の危機にも向き合っている。この5カ月間がイスラエルやパレスチナの人々、そして米国の多くの人々にとって胸が張り裂けるものであったことは承知している。

23年10月7日、テロリスト集団であるイスラム組織ハマスによる大虐殺からこの危機は始まった。1200人の罪のない男女、子供が虐殺され、多くの人々が性的暴力に苦しんだ。ユダヤ人にとってホロコースト以来の最悪の日となった。250人の人質が取られた。


今夜この議場には、愛する家族が現在もハマスに人質にとられているという米国人家族が来ている。私はすべての家族に、愛する人を取り戻すまで決して諦めないことを誓う。また世界中で不当に拘束されている米国人やロシアで拘束されているエバンさんとポールさんを連れ戻すために、24時間体制で取り組んでいく。

イスラエルはハマスに対して行動をとる権利がある。ハマスが人質を解放し武器を捨て、イスラエル奇襲の責任者を降伏させれば、この紛争を今日終わらせることができる。ハマスは臆病者のように市民の中に隠れて活動しているため、イスラエルはさらなる負担を強いられている。

しかしイスラエルには、ガザにいる罪のない市民を守る基本的な責任もある。この戦争により罪のない民間人の犠牲者が増え続けており、これまでガザで起きたすべての戦争の犠牲者を足した数をすでに上回っている。

3万人以上のパレスチナ人が殺されたのだ。そのほとんどはハマスではなく、罪のない女性や子供たちだ。少女や少年も孤児となった。さらに200万人近くのパレスチナ人が爆撃の影響下にあるか、強制退去を強いられている。家は破壊され、街はがれきの山と化した。食料も水も薬もない家族。胸が張り裂けそうだ。

我々は少なくとも6週間の即時停戦を確立するために、ノンストップで活動してきた。実現すれば人質が解放され、耐え難い人道的危機が緩和される。そしてより永続的なものに構築していくことができる。

米国は、ガザへの人道支援を拡大するために国際的な取り組みを主導してきた。今夜私は、食料や水、医療品、一時的な避難設備を運ぶ大型船を受け入れられる臨時埠頭をガザに設置するという緊急の任務を主導するように米軍へ指示する。


米軍が現地に乗り込むことはない。この臨時埠頭があれば、ガザに搬入できる人道支援を大幅に増やすことができる。

しかし、イスラエルもその役割を果たす義務がある。イスラエルはより多くの支援をガザに搬入し、人道支援要員が戦火に巻き込まれることがないようにする必要がある。

二国家解決が唯一の道 

イスラエルの指導者に言いたい。人道支援を二の次にしたり、駆け引きの材料にしたりすることはできない。罪のない人々の命を守り、救うことを優先しなければならない。

将来を見据えたとき、唯一の真の解決策は(イスラエルとパレスチナ国家が平和裏に共存する)「二国家解決」だ。私はイスラエルを生涯支持し、戦時中のイスラエルを訪問した唯一の米大統領として、イスラエルの安全と民主主義を保証する道は他にないと断言する。


またパレスチナ人が平和と尊厳をもって暮らせることを保証する道も他にない。イスラエルと、サウジアラビアを含むすべてのアラブ近隣諸国との間の平和を保証する道も、他にないだろう。

中東に安定をもたらすことは、イランの脅威を封じ込めることでもある。だからこそ私は、紅海における国際海運と航行の自由を守るため、十数カ国からなる連合を構築した。

私は親イラン武装組織フーシの能力を弱め、その地域の米軍を守るために攻撃を命じた。最高司令官として、私は国民と軍人を守るためにさらなる措置を指示することをためらわない。