2017年4月15日土曜日

NHK連続テレビ小説「ひよっこ」第2週「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」感想。

世界情勢が混迷するなか、テレビの世界は「明るい劇場」のようだ。
緊張してこわばった心を、わずかな時間でも、ときほぐすことができる。
エンターテイメントは大切な文化である、と思う。
重苦しい時代の圧力があって、その片隅から、大きく花開いていくのが、文化というものかもしれない。
そして、大衆芸術というのは、たくさんの人々からの支持があって、栄えていくものだ、と思う。

今回の朝ドラ「ひよっこ」の脚本は、岡田惠和さんである。
すでに、たくさんの作品を世に送り出し、高い評価を得ている脚本家のかたである。
私も、朝ドラでは、「ちゅらさん」「おひさま」と、岡田氏の作品を観てきて、大好きなファンである。

岡田脚本の大好きなところは、なんといっても、岡田氏が持っていると思われる「テーマ」の素晴らしさである。
今週、第2週のテーマが「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」であるが、まさにこれこそが、岡田氏の、一貫したテーマであるように思う。

人生には、つらいことも悲しいこともある。
でも、どんなときでも、上を向いて、ニコニコ笑顔で生きていきたい。
それは、楽観主義であり、ポジティブシンキングとも呼ばれる、人生観であると思う。

「悲観はそれ自体、悪である」私はこの言葉がとても大事であると思う。
真実である、とも思う。
これから先の未来というものは、必ずしも悪いほうへ行くとは限らない。
悲観的なものの見方や、悲観的な、人生に対する態度は、未来をますます暗くしてしまう。
人は、未来を明るく照らすために生まれてきたのであって、今ある状態をますますよくない方向へもっていくのは、とても悪いことだと思う。

人は、状況も人生も、良いほうへ、良いほうへ、と変えることができる。
それなのに、苦しみや悲しさを嘆くばかりでは、生まれてきた意味がない、とまで、思うときが、私には、ある。

それなので、岡田脚本のテーマは、苦しみも悲しさもつらさも、どんなときにも「笑っちゃおう」で、乗り越えていくので、大好きなドラマになるのである。
これからも、ヒロインを取り巻く状況は、山も谷もあるのかもしれない。
それを、どんなふうに笑顔で乗り越えていくのか、これから毎日、観ていくのに、とても楽しみなドラマである。

ところで、ここまでのドラマのストーリーであるが、それほど大きな動きはない、と思っていいと思う。
ナレーターの増田明美さんが、透き通った声で告げているが、「これからでもまだまだ間に合います」ということである。

ここまで2週間のストーリーの動きは、まずは、茨城での、ヒロインとそれを取り巻く人間関係が、あたかも点描のように、描かれている状況である。
小さなエピソードを、ひとつひとつ重ねることで、複雑な人間関係や、茨城での暮らしが、描きこまれていく。

長編小説を読み始めるときがそうであるが、最初の25ページをなんとか読みこなすと、小説の舞台が頭の中で完成する。
それから、ヒロインや登場人物たちが、生き生きと動き始める。
今のところは、ヒロインは、茨城の農家で、誇りをもって農業を営んでいて、家族は助け合い、支え合っている。
お父さんが東京に出稼ぎに出ているが、どうにも行方不明になってしまって、心配である。
ヒロインは、茨城の高校で、村の聖火リレーをするために、友達と一緒に取り組んでいる、というところである。

だいたいのストーリーはこんなところである。
でも、岡田脚本の見どころというのは、ひとつひとつのエピソードであり、大切なセリフのひとつひとつである、と思う。

もうすでに、大事にしたいセリフ、メモ帳に書き記したいセリフが、誰にも思うところが出てきたと思う。

私は、「いばらぎ」ではなく、「いばらき」です。というあたり、それから、「名前があるんです」というあたりが、とても大切だ、と思った。

古きよき、農業を主体としたコミュニティやライフスタイルは、今、都会ではすっかり消えてしまった。
私たちは、このドラマから、忘れてなくしてしまった、ライフスタイルを見出したいと思っている。

決して、原始時代に逆戻りするわけではないが、それでも、高度経済成長期のなかで、バブルのなかで、「行き過ぎてしまった」ところを、今一度、とりもどしたいように思う。
新しいコンピューターの技術を持ちながら、自然とともに豊かな生活を送る、そうしたライフスタイルを、新たに構築したい、模索したい、と思っている。

たくさんの思いが詰まった、この朝ドラ「ひよっこ」である。
これからも、楽しみに、見つめていきたい、と思います。

♪ 丸い地球の水平線に
何かがきっと待っている
苦しいこともあるだろさ
悲しいこともあるだろさ
だけど僕らはくじけない
泣くのはいやだ 笑っちゃおう
進めー!
ひょっこりひょうたん島!
ひょっこりひょうたん島♪

PS. ところで、「朝倉高子」という役が登場するようなのですが、大丈夫でしょうか?
かなり「ゴツイ」と思うのですが…。!!!