東京オリンピックのエンブレムのこと。
秋の気配が感じられるようになった。
変化、また変化の時代である。
人々の気持ちは、先行きへの不安が増しているように思う。
そんなときに、希望の光として、それは一筋の光というより、
大きな松明として、輝くのが、2020年の東京オリンピックである。
すでに、新国立競技場は、計画の見直しにはいった。
スポーツのための、本当に高度な競技場へと、計画が進んでいるようで、
頼もしいかぎりである。
本当にうれしい。
しかし、次に話題となってしまったのが、
オリンピックのエンブレムの問題である。
いわゆる、盗作疑惑、というものが浮上してしまった。
この盗作疑惑のニュースに触れて、たくさんの人々が、それぞれに、東京オリンピックのエンブレムを、自分なりに考えたりデザインしたり、あるいはそれを、ツイッター上で公開したりしている。
また、それらの仮エンブレムが、「これも素敵」「これもいい」と、話題になっている。
こうした状況は、たくさんの人々が、「私も、オリンピックに参加したい」と思う気持ちの表れであると、私は思う。
疑惑のほうの話題が持ち上がったときに、一番先に感じたのは、「いったい、いつ、そんなコンテストがあっただろうか?」という疑問である。
参加するには、たくさんの大きな条件があったのかもしれないが、もしかすると、有名なデザイン事務所にだけ知らされた、コンテストだったのかもしれない。
日本には今、イラストやデザインの旋風が巻き起こっている。
これは、私だけが思うことではないと思う。
私は、活字文化という方向性で、絵やイラストよりも、活字と文章を主体として表現活動をしてきた。
しかし、今は若い人も、子どもも、ちょっとしたイラストが描けない人のほうが珍しいぐらいである。
美術大学も、アニメーション専門学校も、大人気である。
一億総イラストレーター、といっても過言ではないかもしれない。
こうした状況を踏まえて、「私もオリンピックに参加したい」という気持ちを汲んで、もう一度、エンブレムのコンテストを、やりなおしてはもらえないのだろうか。
くだんの疑惑の件は、判別にまだまだ時間がかかりそうである。
こうなったら、氏のことはまた別の問題として決着をつけることとして、東京オリンピックのエンブレムのほうは、早く決めたほうが良いと思う。
そこで、エンブレムデザインの再募集をしてほしい、と思う。
新国立競技場だって、計画を白紙からやりなおしているではないか。
よりよい、より主体的に参加できる、オリンピックのために、ぜひともお願いしたい、と思う。
それから、楽しみなのは、大会キャラクターである。
オリンピックまであと5年をきっている状況である。
キャラクター商品となると、市場価値も大きい。
おりしも、日本では「ゆるキャラ」ブームである。
市町村や企業が、オリジナルの「ゆるキャラ」を作っている。
「ゆるキャラグランプリ」も開催されていて、私も投票して、グランプリがどの子になるか、楽しみにしている。
日本を代表するキャラクターを、選んでほしい。
そして、できるだけ早く決めてほしいものである。
日本全国のイラストレーター、デザイナーが、「うずうず」している状況である。
かわいらしく、愛されるマスコット、キャラクターのコンテストも、大規模に開催してほしい。
スポーツだけではなく、みんなが実際に参加できるオリンピックに、楽しみを広げていきたいものだ、と思う。