2016年7月30日土曜日

NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」第14週「常子、出版社を起こす」 第15週「常子、花山の過去を知る」 第16週「『あなたの暮し』誕生す」 第17週「常子、花山と断絶する」感想。

NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」第14週「常子、出版社を起こす」
第15週「常子、花山の過去を知る」
第16週「『あなたの暮し』誕生す」
第17週「常子、花山と断絶する」感想。

早いもので、もう7月もおわりである。
関東地方もとうとう梅雨明けした。
梅雨明けらしい、明るい青空が広がっていて、カラッとした晴れになっている。

この7月は、本当に大変な7月だった。
誰にとっても、本当に乗り越えがたい、つらい7月だったと思う。
毎日を、毛布をかぶって、マンガの本を読みながら、テレビ三昧しながら、音楽を聴きながら、どうにか逃げ切ってきたところである。

私は、テレビドラマのありがたさは、こういうところにある、と思う。
どんな朝も、フィクションは、優しく明るく、微笑みかけてくれる。

そういうわけで、4月からずっと、苦労しどおしの「ととちゃん」も、7月の花開く、大団円を迎えている。
ライフワークである「あなたの暮し」の出版となったわけだ。

このあたり、出版業界の仕事のしかたや、気持ちなどがよく描かれていて、専門知識のない視聴者には、本当に興味のつきない展開となっている。

昭和20年代の家具や建物も、レトロで懐かしいし、銀座に構えた出版社も、建物がとても素敵である。

ととちゃんは、戦後の混乱期にあって、闇市に、ピンチよりは、チャンスを見つける。
それは、叔父からヒントをもらったものでもあった。
このまま、事務員としてお給料をもらって働いていても、一生にもらえる金額は限られている。

戦後の物資不足、そして、活字への希求が、大きなニーズを生み出している時期で、どんな雑誌でも、出版すれば売れる状況となっていた。

こうした状況に、自分自身の仕事人生を賭けてみるチャンスを見出したのは、さすがととちゃんだ、と思う。

ととちゃんには、「家を建てる」という目標もある。
まずは何よりも、家族を養わなくてはならない。
そうしたときに、勤め人としてお給料の少なさを嘆くよりは、起業をして社長になって、たんまりもうける、これは、とても楽しい発想だと思う。

思い起こしてみれば、歯磨き粉の件といっても、やはり、「一山当てよう」という行動力が、常子にはあったのだった。

常子の才覚の一番素晴らしい、と思えるところは、やはり経営センスだと思う。

常子と花山の関係が、あまりうまく見えてこないところはあるが、花山伊佐次という、有能な編集者を雇うことで、出版の仕事に、大きな宝の山を見つけた、ということだと思う。

この、花山伊佐次、噂には聞いていたけれども、やはりスカートをはいていた…。
すごかった…!

花山は、絵の才能もあるし、文章の才能もある。
絵の才能のある人、というのは、どこでもそうだけれども、社会常識からは、ちょっとはずれてしまうところがあるようだ。
けれども、才能があればあるほど、才能という大輪の花を支える柱が、必要になってくうる。
それが、経営であり、お金であり、「現実」であり、社会常識である、と私は思う。

かのゴッホも、絵の才能はとても大きかったのだが、絵ばかり描いていて、その絵を売ることや、絵を売って、次を描く絵の具代にすることには、まったく関心がなかったようである。
絵の才能を認め、肯定し、讃え、そのうえで、画家の生活や、画家としての仕事の成功をうながす、マネジメントが、必要だったわけである。

絵や音楽、文章の才能がある人には、自分か誰か他の人で、マネジメントをする人がいると、大成する、と私は思う。

いわば、才能と経営の二人三脚である。

常子と花山は、経営者と才能者ということで、二人三脚を組むことができた。
そこには、多大な葛藤もあっただろう、と思う。
でも、そこから生み出されたものが大きかったから、雑誌「あなたの暮し」は、大成功したのだろう、と私は思う。

これから、真夏、8月に入る。
「とと姉ちゃん」も、暑い暑い真夏を走り抜け、秋に向けて、どんどん進んでいく。
秋の稔りに向けて、毎日、毎朝の笑顔を、私たちに届けてくれる。
これからも楽しみに、常子とその家族たち、仲間たちを、見つめていきたい、と思う。