「捨て・捨て」ブームに思う。
物を捨てることが、ひとつのブームになっている。これについて考えたい。
物を捨てるための、手法やアドバイスを書いた本が、
何種類も出されて、評判になっている。
実際に実行する人もたくさんいるようだ。
「片づける」
「収納する」
「整理する」
のではない。
「捨てる」のである。
それほど、現代の日本人は、物にあふれているのか。
物が多すぎて困っているのか。
きっと本当に困っているのだ。
そして、何をどう捨てればいいかわからない。
判断に困っている。
考えてみれば、わたしたちの親の世代、
そのまた親の世代は、
戦後の高度成長期を生きてきた。
物がたくさん発明され、作られ、売られ、買われてきた時代である。
歴史を振り返ってみて、これほど短期間に、
次々に新しいものが発売された時期もないのではないかと思える。
飽食の時代になり、栄養価という価値が模索され始めた。
「モノ」に関しても、ようやく飽和状態になり、
持つ「モノ」に関してその質や感情の価値を、
模索されるようになったように思う。
「捨てる」ことは、
なにか大切なものを選んで「残す」ことでもある。
さあ、あなたは何を手の中に残しますか?
それぞれが、問いかけられている時代なのかもしれない。