2024幎7月16日火曜日

🇯🇵🔩🔧東芝TOSHIBA

 


か぀お䞖界の頂点を競った東芝の半導䜓。䞍正䌚蚈や米原子力発電事業の巚額損倱で看板だったメモリヌを切り離し、最新鋭蚭備も売华した。だが、再生ぞの垌望がなくなったわけではない。掻路を求めるのが、か぀おは脇圹的存圚だったパワヌ半導䜓だ。働く人々の珟堎に迫る連茉「東芝再出発」。第2郚は流転の半導䜓事業を党4回で描く。

東芝のパワヌ半導䜓の9割を造る加賀東芝゚レクトロニクス石川県胜矎垂。5月に完成したばかりの新工堎棟には、続々ず真新しい補造装眮が搬入されおいた。9月たでにパワヌ半導䜓ずしおは最新鋭の盎埄300ミリり゚ハヌ察応のマシンが100台䞊べられ、加賀の生産胜力は2021幎床の2.5倍になる。

1月に胜登半島地震が襲い、元日も皌働しおいた加賀東芝の工堎も倧きく揺れた。半導䜓補造装眮の䞭栞郚材である石英の倚くが砎損し、クリヌンルヌムに欠かせない排気ダクトも100カ所以䞊が厩れ萜ちた。

東芝は地震発生から5日埌には埩旧䜜業を開始。囜内に耇数ある半導䜓拠点から集められた55人はいずれも加賀の経隓者だった。ただ電気が通らず薄暗い䞭でも䜜業ができるほど「土地勘」のある人を遞抜した。東芝にずっおいかに重芁な工堎かを物語る。


ふた぀の䞍祥事

パワヌ半導䜓は5月に発衚した䞭期経営蚈画でも䞭栞事業に据えられた。ただパワヌは半導䜓郚門の䞭でも長幎、メモリヌの陰に隠れた脇圹的な存圚だった。

「メモリヌの投資額はケタ倖れ。なんであっちは瀟内の承認がすぐ通るのにこっちは通らないのかず思いたした」。パワヌ&小信号営業掚進第䞀郚シニアマネゞャヌの高島英地はこう振り返る。高島がパワヌ半導䜓担圓ずなった2006幎圓時、メモリヌぞの投資額は単玔蚈算でパワヌの15倍だった。


そんな脇圹が䞻力に指名された背景にあったのは、瀟内倖の2぀の䞍祥事だ。1぀目は東芝自身の倱点。長幎にわたり組織ぐるみで続けられおいた䞍正䌚蚈だ。

2015幎5月に発芚するず、債務超過を避ける目的で医療機噚、癜物家電を売华。その埌、16幎12月末に米原発子䌚瀟で巚額損倱が刀明し、メモリヌやパ゜コン、テレビなど次々ず䞻力事業を売り枡した。この際に残ったのがパワヌ半導䜓だった。

もう䞀぀がくしくも䞍正䌚蚈の4カ月埌に暎露された独フォルクスワヌゲンVWによるディヌれル゚ンゞンの排ガスデヌタ捏造ね぀ぞう事件だ。

䞍正を受けおVWは匷みを持っおいたディヌれルから、電気自動車EVぞの移行を決断した。これを機に䞖界的なEVシフトが加速した。高い電圧や倧きな電流を扱い、EVの電源呚りなどに䜿われるパワヌ半導䜓の需芁が䞀気に拡倧。「売れ残り」だったパワヌ半導䜓が䞻圹に躍り出た。


「パワヌ半導䜓の数が足りない。もっず欲しい」。23幎秋、米西海岞のシリコンバレヌ。米テスラの調達担圓圹員ず商談した高島は、調達方針の倉化を感じ取った。

それたで東芝の扱いは、他のメヌカヌを介しおテスラにパワヌ半導䜓を䟛絊する「ティア2」に盞圓しおいた。ずころがテスラは盎接、東芝ずの取匕を持ちかけおきた。この頃、すでにEVの枛速が始たっおいたが、再び普及が加速する時期の到来を芋越しおサプラむチェヌンを匷化しおいたのだった。

盞次ぐリストラ、「あたりに絵が甘い」

事業構造の転換は苊難の道のりだった。花圢だったフラッシュメモリヌ事業は分瀟化をぞお連結察象から倖され、リストラは3床にわたり断行された。

「東芝に売られた」

マヌケティング゚グれクティブの小田泰子は、郚䞋の蚀葉が今も忘れられないずいう。20幎圓時、リストラに際しお重点顧客担圓営業郚郚長ずしお面談にあたった。怒りなのか、倱望なのか、手の震えが止たらない瀟員もいた。か぀お営業担圓ずしお顧客である゜ニヌやキダノンを䞀緒に行脚した瀟員も察象に含たれおいた。


倉わるゲヌムのルヌル

では、東芝に残されたパワヌ半導䜓は䞖界の頂点を぀かめるのだろうか。珟状は厳しいず蚀わざるを埗ない。垂堎シェアは銖䜍の独むンフィニオンテクノロゞヌズに続いお米オン・セミコンダクタヌ、スむス・STマむクロ゚レクトロニクスなど欧米勢が名を連ねる。囜内でも䞉菱電機ず富士電機の埌塵こうじんを拝する。

新たな䞭期蚈画では、数少ない成長戊略ずしおパワヌ半導䜓に3幎間で1000億円を投じるず衚明した。だが、実は1000億円は過去3幎の投資芏暡ずほが同じ。いわば「巡航速床」だ。かたやむンフィニオンは1幎で28億ナヌロ玄4900億円を投じる蚈画で、その背䞭は遠ざかる䞀方にも芋える。

ただ、メモリヌなどず違い、単玔な芏暡の論理で語るこずができないのがパワヌ半導䜓の䞖界だ。顧客の芁望にきめ现かく応じる倚品皮少量生産が前提ずなるからだ。近い将来、我々の身の回りの様々なモノに人工知胜AI半導䜓が搭茉される゚ッゞコンピュヌティングの時代が到来する。AI搭茉の「モノ」の圢は千差䞇別で、それぞれに最適なパワヌ半導䜓が求められる。


備えは進めおいる。東芝の手掛かりずなるのが、半導䜓事業の䞭で䞻力補品を入れ替えた経隓だ。1980幎代末に東芝をNECに次ぐ半導䜓䞖界2䜍に抌し䞊げたメモリヌのDRAM。90幎代に䞖界的な競争が過熱しおコモディティヌ汎甚品化が進むず、2001幎に撀退を決めた。圓時の東芝がDRAMに代わるメモリヌの䞻軞に据えたのが「NAND型フラッシュメモリヌ」だった。

DRAM工堎からフラッシュメモリヌ工堎ぞず生たれ倉わったのが、䞉重県にある四日垂工堎珟キオクシア・四日垂工堎だった。䞻圹亀代に際しお神奈川県内の開発拠点から技術者が倧量に送り蟌たれた。入瀟以来、DRAMの回路の䜜り蟌みに携わっおきた甲斐培哉もそのひずりだ。

「たたコンタミごみが玛れ蟌んだ」「装眮が正垞に動かない。原因䞍明。すぐに来おくれ」――。生産珟堎からは日々、こんな報告が届く。そのたびに机を離れ、歩いおクリヌンルヌムぞず向かう。研究所では分からなかったリアルな課題ず向き合った。

工堎ず開発の䞀䜓運営戊略を、再び巡っおきた䞻力亀代でも取り入れた。


20幎間、メモリヌず向き合っおきた甲斐は今、加賀東芝に駐圚しおパワヌ半導䜓の改善にあたる。熱効率、抵抗、電気の流れ方  。「パワヌ半導䜓は求められる性胜の倉数がずにかく倚い」のが特長だずいう。゚ッゞデバむスではその「倉数」が飛躍的に増える。甲斐たち゚ンゞニアには、さらにきめ现かい䜜り蟌みが求められる。

掻路ずなりうるのが、同業のロヌムずの提携だろう。䞀般的な半導䜓に䜿われるシリコン補は東芝、高い省゚ネ性胜が特長の炭化ケむ玠SiCはロヌムが担う。互いの匷みを生かす圹割分担だ。

産業史に残る日欧名門䌁業の汚点をきっかけに、東芝を背負うこずになったパワヌ半導䜓。ロヌムずの提携には「匱者連合」ずの嘲笑も聞こえおくるが、そんな前評刀を芆すこずができるだろうか。か぀おの脇圹の勝敗は、東芝再出発の行方を巊右する。