このところ、社会全体の話題となり、政策や「雰囲気」となっているのが、女性の社会参加であり、教育であり、また、組織的な系統を持つことや発言力の高さである。
そこで私も、ある近所の友達が、女性団体に所属している、ということで、昨日いろいろお話をうかがってきた。
この団体の会合には、私も何度か参加したことがあり、そのときの体験をもとに、書いてみたいと思う。
この団体は、所属人数も膨大であり、組織的な活動を行っていて、東京に本部があり、各地方に支部がある。
その支部にまた、たくさんの小さな組織が所属している、という形態となっている。
もちろん、ここから集められる情報も、膨大なものである。
実際のところはどうなのかわからないが、周知の事実として、このたくさんの情報は、ビッグデータとして、大きなコンピューターにかけられ、分析されて、毎日の団体運営のために、活用されている。
もちろん、選挙の際には、非常に有効な基礎データとして、活用されている。
この団体は、教育団体でもある。
すでに大学教育を卒業して、一家の主婦となったり社会人となったりした女性たちが、生涯教育を受ける場ともなっている。
この団体の機関紙は、毎日発行される新聞であったり、子どもの教育を専門にした月刊誌であったりするが、これが教育のテキストとなっている。
会合では、これらのテキストを持って集まり、読み合わせをし、講師が解釈を教える、あるいは、それぞれの個人が、感想や意見を出し合い、意見交換を行う、質問会が行われ、講師が質問に答える、ということが行われる。
大きな会合では、演壇に講師が登って話をする講演会式であるが、少人数の会合では、ワークショップのような、個別の意見交換が行われている。
この会合に何回か参加したが、女性だけの会合とあって、なぜかこの集まりでは、いい匂いがする。
その香りが、お化粧によるものなのか、香水によるものなのか、会場に常に飾ってある花のせいなのかは、よくわからない。
壁はクリーム色で、絨毯は桜色である。
大きな掛け時計があって、きれいな陶器の人形が飾ってあったりする。
また少人数の会合や、長時間人が集まる打ち合わせでは、おっかさまのような婦人が、いなりずしや唐揚げを大きな入れ物に入れて持ってきてくれる。
こうした、おいしそうなおかずの匂いもまた、とてもいい匂いである。
教育という意味では、テキストのない、人と人との集まりである場を使って、年配の婦人から後輩の若い婦人への教育や相談も行われている。
たとえば、子育てに関する悩みなどは、年配の経験豊かな婦人が、若い母親に、知恵袋として教えてあげたり、するようである。
また、主婦としての経験の浅い若い奥さんに、お料理の仕方や家事の仕方を教えてあげたり、主婦業としての情報交換も盛んに行われている。
こうして、女性ならではの、ネットワークが、人間関係というとても有機的なものを媒体として、分厚く形成されている。
それはあたかも、現代社会が失いかけている、年長者と年少者の関わり、「ムラ」のようなものである。
また、母子家庭や小さな子どもを持つ母親が、孤立しないための、人間関係が育まれている。
孤立しないということは大事なことで、ある母子家庭の家で、小さな会合が開かれて婦人たちが集まるということになれば、地域社会でも大切にされる、ということでもある。
ビッグデータということも、最先端の機械を使って、最善のことをする、という意味で大切であるが、基本的に、人と人との関わりのほうを重要視しているところがある。
地方と東京の連携に際しては、地方のトップ幹部が、月に一度は上京して、対面式での指導伝達や相談会を行っているようである。