2014年3月16日日曜日
スプリングセール。
毎日のお楽しみ、というといろいろなものがあるけれど、私の、このごろの楽しみは、毎朝のチラシを見ることである。
一枚一枚、丁寧に隅から隅まで見ることがある。
そんなに毎日、チラシに釣られて、買い物に出かけることはないけれど、きれいな赤や青のラインとか、レトロっぽいデザインとか、どんなものがいくらで販売されているとか、あるいは、期間限定のお得なクーポンがついていたりして、これがなかなか楽しい。
今年の春、3月に入ってからは「増税前の」という言葉が必ず大きく入ってくる。
8パーセントはよくよく計算してみると、そんなにお得ではないのでは?という、消費者センター的な専門家の話もあるし、4月になったら、むしろ本体価格が値下がりするのでは、という話もある。
それでも、びっくりマークと数字の踊ったチラシは楽しいものだ。
今、みんな、どんなものに興味があるんだろう?と思う。
小学生や中学生には、塾のチラシが毎日、毎日である。
いろいろな塾があるものだ。
大手の全国展開の塾もあれば、一対一の個人レッスンが効果的、とうたうところもある。
春のフォーマルも、あの店とこの店とでは、お値段がゼロひとつ分くらいちがったりして、どこがどんなふうにちがうものなのか?朝から考え込んでしまう。
スーパーマーケットのチラシは、季節と旬を伝えてくれる。
ひな祭りからお彼岸、卒業や入学のお祝い膳まで、スケジュール管理にアラートを鳴らしてくれる。
時には、お墓や墓石、葬祭場のチラシまで入ってきて、このごろの墓石は、デザインも豊富、「旅立ち」「悠舞」などと、名前もつけられている。
割引クーポン券は、何か特別な切符のように見えてくる。
20パーセント引き、これは計算機が必要だ。
なかには、ミシン目まで丁寧に入っているものもあって、手できれいに一枚一枚切り取って、ポケットに入れておけるようになっているのだ。
小さなお財布の、小さなコインで、どこでどんなものを手に入れましょうか。
小さなコインは、小さな自由でもある。
気晴らしにちょっとお金を使う、というのも楽しい。
色鮮やかなチラシたちは、私たちに、「あなたのコインの使い道」について、やさしいアドバイスを配ってくれている。
私は急ぎの用事の道すがら、春の色のショーウィンドウを見てみては、小さなコインをてのひらで、また裏返しては表に返す。