「シュリンクフレーション」に歯止めをかける
あまりにも多くの企業が利益を水増しするために価格を引き上げている。そのため、我々は食品や医療、住宅の価格つり上げに対する企業の取り締まりを強めている。
例えば、スナック菓子メーカーはポテトチップスの量を減らしても、同じ大きさの袋に入れれば我々は気づかないと思っている。(価格はそのままで内容量を減らす)シュリンクフレーションに歯止めをかけるため、ボブ・ケーシー上院議員(民主党)の法案を可決しよう。
また、決済時に様々な手数料が後から上乗せされる「隠れ手数料」も廃止する。私の政権はクレジットカードの延滞損害金を32ドルからわずか8ドルに引き下げると発表したばかりだ。
銀行やクレジットカード会社はこれを良く思っていない。なぜだろうか。隠れ手数料の廃止で米国の家庭は年間200億ドル節約できるようになる。
それだけにとどまらない。ケーブルテレビ会社やオンラインチケット販売会社に対し、前もって合計金額を伝えるようにする規則を私の政権は提案している。
移民を悪者扱いしない。前任者とは違う
同じく重要な話がある。我々は23年11月、超党派の上院議員のグループと本格的な交渉を開始し、これまでで最も厳しい国境安全保障改革の超党派の法案を作成した。
この法案を通じて国境警備の捜査官と警官1500人増員する。移民審査官を100人増員して、200万件にのぼる亡命の申請案件を処理できるようにする。亡命担当官を4300人増員し、6年ではなく6カ月で案件を片付けられるようにする。さらに、ハイテク麻薬探知機を100台増設し、(麻薬鎮痛剤の)
フェンタニルを密輸入する車両を選別し、阻止する能力を大幅に向上させる。
この法案は人命を救い、国境に秩序をもたらすだろう。また国境に押し寄せる移民の数が圧倒的な場合、国境を一時的に閉鎖する新たな緊急権限を大統領である私に与える。国境警備隊組合は法案を支持し、商工会議所も法案を支持した。
機会があれば、上下両院の大半もこの法案を支持すると信じている。残念ながら、政治がこの法案可決を妨害してしまっている。私の前任者は議会の共和党議員に電話をかけ、法案を阻止するよう要求したと聞いている。この法案が可決すれば、私にとって政治的勝利になり、彼にとっては政治的敗北になると思っている。だが、彼や私が勝つか負けるかの問題ではない。米国のための勝利となる。
(共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員がやじを飛ばしたことに対して)レイケン・ライリーさんは罪のない若い女性で、不法移民に殺害された。それは事実だ。だが、何千人もの人が不法移民に殺されているわけではない。彼女の家族に対してはこう言いたい、自分も子供を亡くした身であるため、心が痛む。
人々は国境を越えるために密入国業者に8000ドルを支払う。審理が開かれるまで6〜8年かかるため、チャンスだと思って8000ドルを払う。だが、審理までの期間が6カ月、もしくは6週間で、すぐに国外追放されると分かっていれば、その金額を支払って入国を試みることはしないだろう。
共和党の友人はこの法案を成立させる義務がある。我々は行動する必要がある。もし私の前任者がこの演説を聞いていたらこう伝えたい、この法案を阻止するよう議員に圧力をかけたりせずに、この法案を可決するように一緒に議会に働きかけてほしい。
私たちは一緒に協力できるが、私はこれだけはしない。私は前任者と違って「移民はわが国の血を汚す」などと悪者扱いはしない。家族を引き離すことはしない。信仰を理由に米国への入国は禁じない。
どこから来た者でも、我々はみな米国人だ
私は前任者とは違い、大統領に就任した初日に包括的な計画を導入した。移民制度を修正し、国境を守り、夢を追う者たちに市民権取得への道を提供する計画だ。それ以上のこともたくさん盛り込まれている。
前任者とは異なり、米国人として我々がどのような国民であるかを知っているからだ。我々は古今東西の心と魂を持つ、世界で唯一の国家である。先祖代々この地に住むネーティブアメリカンの故郷であり、地球上のあらゆる場所からやってきた人々の故郷でもある。
自由にやってきた者もいれば、強制的に連れてこられた者もいる。アイルランドの私の祖先のように、飢饉(ききん)に襲われた人もいる。迫害から逃れた者や、米国以外では実現することが不可能な夢を追いかけに来た者もいる。それが米国だ。どこから来た者であろうと、我々はみな米国人なのだ。
我々は国境について争うこともできるし、解決することもできる。私は解決する準備ができている。今すぐ国境警備法案を通すのだ。
59年前の今日、アラバマ州セルマで歴史が変わる瞬間が訪れた。正義を求めるデモ行進の参加者たちは選挙権を主張するため、白人至上主義者の団体であるクー・クラックス・クラン(KKK)の高位指導者にちなんで名付けられたエドマンド・ペタス橋を行進した。彼らは殴られ血まみれとなり、見殺しにされた。
我々の亡き友人であり、かつての同僚であったジョン・ルイスさんも、この行進に参加していた。彼の死を悼む。
今夜、デモの参加者たちを招いている。「セルマの声」として知られるベティ・メイ・ファイクスさんがその一人だ。ゴスペルシンガーと牧師の娘である彼女は「血の日曜日事件」が起きた日に祈りと抗議の歌を歌い、国民の良心を動かした。その5カ月後に投票権法が成立した。
しかしあれから59年たった今、我々を再び過去に引き戻そうとする勢力が現れた。有権者の弾圧に選挙妨害、ダークマネー。自らに有利なように恣意的に選挙区割りを決める極端な「ゲリマンダリング」も横行している。
ジョン・ルイスさんは、ここにいる我々の多くにとって偉大な友人だった。しかし彼や、彼と一緒に行進したすべての英雄たちを真にたたえたいのであれば、今こそ口だけではなく行動する時だ。「投票の自由法案」と「ジョン・ルイス投票権促進法案」を通過させるのだ。
そして、多様性という米国の核心的な価値の一つを否定することはもうやめよう。本を禁止することは間違っている。歴史を消すのではなく、歴史を作っていこうではないか。
他の基本的権利も守っていきたい。平等法案を通過させよう。トランスジェンダーの米国人にメッセージを送る、私はあなたがたの味方だ。
労働者の権利のために「団結権保護法案」(PRO法案)を通過させよう。そして、連邦最低賃金を引き上げるのだ。すべての労働者はまともな生活をおくる権利がある。