今、トマ・ピケティ著の経済学書「21世紀の資本」が、とても話題になっている。
とても分厚い専門書だということで、私は、おくらばせながら、インターネットや雑誌に書いてある、おおまかな説明を読ませていただいた。
簡潔に言うと、資本のあるところに、お金が集まる、という理論を、データで実証した本である。
そして、もともと資本を持っている人は、時間軸とともに、ますますお金持ちになっていき、雇用されている労働者の賃金は、資本家の資産に追いつくことはない、という理論である。
つまり、もともとお金持ちな人は、経済の性質上、どんどんお金持ちになって、上り坂を登っていく。
しかし、雇用される側、サラリーを貰って働く側の、いわゆる貧困層は、ますます貧困になり、富裕層と貧困層の格差は、しだいに広がっていく、という理論である。
理論といっても、経済学は、社会科学の女王と呼ばれている学問であり、科学である。
この科学に、膨大なデータの裏付けがされた、ということは、普遍的真実である、という意味だと思って差し支えないと、私は思う。
この本を読んで、自分自身の行く末を案じた人がたくさんいる、ということで、話題になっているのだが、私は、ちょっと別なことも考えた。
それは、このピケティの経済学理論が、共産主義の論破になっているのではないか、ということである。
アメリカでベストセラーになった本だそうである。
資本主義・民主主義の筆頭たるアメリカは、とうとう共産主義の理論的まちがいを、指摘するところまで、行き着いたのではないだろうか。
そして、この本の理論とデータこそが、第三次世界大戦・西と東の決戦の、「大義」である、というところではないだろうか。
戦争には「私は正しい」という正義と、それを遂行するための「大義」が必要であると思う。
共産主義の、理論的根拠にまちがいを指摘することができれば、西と東の対立は、なくなるはずである。
そして、世界中が、資本主義、民主主義、アメリカ主義として、ひとつになれるはずである。
ピケティの理論の「大ブーム」の火付け役は、いったい誰なのか。
これも、戦争の戦略のひとつなのではないか、と私は思うのである。