ルクセンブルグについて。
ルクセンブルグ大公室。アレクサンドラ大公女のご婚約、おめでとうございます。
ルクセンブルグは、フランスとドイツに挟まれた、小さな国ですが、たくさんの銀行の本店や支店があり、金融立国となっています。
ベルギー、オランダ、ルクセンブルグは、ベネルクス三国と呼ばれ、EUヨーロッパ共同体の基礎となったところです。
EUヨーロッパ共同体は、経済の共同体から、始めました。
次に、シェンゲン協定を結び、税関の廃止や、貿易の、域内の自由化を進めました。
次に、通貨、ユーロの共通化をしました。
このようにして、ヨーロッパの「共同」のシステムを、構築していきました。
アジアでは、これに倣って、「アジア共同体」のようなものを、作ろうとしています。
それが、現在行われている、ASEAN(東南アジア諸国連合)、そして、APEC(アジア太平洋経済協力)です。
ここから発生して、貿易の協定である、RCEP(地域的な包括的経済連携)もすでに発効しています。
TPP環太平洋パートナーシップも、こうした共同体です。
そして、TPPと、EUがつながったのが、日欧EPAです。
今年の5月には、アメリカとアジアをつなぐために、TPPよりも、もう少し条件を緩和した形の、IPEF(インド太平洋経済枠組み)も結ばれました。
ベネルクス三国の、まず経済の協力からつなげていった、この広く人々が、国々が、大きな輪でつながっていこう、という発想に、とても共感します。
それは、「お金」「もの」は、人と人を、無条件につなぐ、普遍的なものごとだと、思うからです。
思想や主義主張、宗教は、なかなか理解しあえないものです。
対話を重ねても、お互いがゆずりあうことは、とてもむずかしいと思います。
お互いが、理解しあうために、「もの」というものは、とてもいい、と思います。
言葉がなくても、人が作ったものには、形があり、重さがあります。
わたしは、ずっと前に、テレビで「シルクロード」という番組を観ました。
絹の貿易のために、結ばれてつながっていった、商人が通る道のことです。
東は日本、中国から、西はヨーロッパまでつながっています。
「もの」「お金」「商人」この、とても確かで、タフな取引が、人と人を、結んでいた、と思うと、とてもたくましいかんじがしました。
思想や宗教は、たがいに、完全に理解しあうことはむずかしいかもしれないですし、もしかすると、不可能かもしれないです。
でも、お互いの、共通の話題、共通の、「すてきなもの」「おいしいもの」が、人と人を、結びつけるのに、一番、強い絆になるのではないか、とわたしは、思いました。
ルクセンブルグのこと、ベネルクスのことを、このようにたくさん知って、たくさん調べたのは、ルクセンブルグにわたしの妹が、その夫とともに、赴任していたからです。
語学を学んだ妹は、遠くヨーロッパに離れていましたけれども、ほんとうに立派ないい国に行って、語学を活かして、活躍しているんだわ、と思うと、とてもうれしくて、楽しかったです。
アジアでも、小さな枠組みから、その枠組みをつなげることで、世界へと、システムをつなげていけたらいいな、と思っています。