「捨て・捨て」ブームに思う・その2・建設
前回、「捨てる」という行為を中心に書いた。次の段階を考えたい。
私自身は、家や部屋から不要物を排出した際に、
それらをどういった方法で処分するか、という点については、
ここでは論じていない。
その点をご了承いただきたいと思う。
その問題については、また別の機会に言及したい。
「捨てる」という行為には、目的がある。
家、部屋というのはもともと、住人が、
衣食住の生活を行う基盤の場所である。
その場所を整え直すために、
まず、「捨てる」という行為を行う。
それは、ひとつの「リセット」と呼べるかもしれない。
人間は生きていると、定期的に、「節目」に遭遇する。
それは、小さな子どもにとっては、
「幼稚園の入園」かもしれない。
乳幼児期に必要だった哺乳瓶とベビーベッドは手放して、
幼稚園バッグと、新しい靴を用意する。
彼らの居心地のよい部屋には、
幼稚園バッグと、新しい靴とが並べてあるにちがいない。
居心地のよくない園児の部屋にはまだ、哺乳瓶がころがっているかもしれない…。
「捨てる」という行為のあとには、
大切なもの、「今の自分に必要な暮らしの品々」を集めて、
使いやすく並べて、部屋を作り直すという、「建設」の行為が行われる。
scrap & build 、わたしの好きな言葉である。
いつも「今の自分」の居心地のいい、家づくり、部屋づくりを心掛けたい。
人生の節目には、部屋を建設することが、必要である。