アメリカの「今」
終末時計も発表された今日、アメリカの「今」について、覚書をメモしておきたいと思う。
○アメリカのプライドと怒り。
2012年、今から5年前までさかのぼると、日本とアメリカの間には、大きな問題が起きた。
アジア危機である。
あのとき、私たちは、日本として、アメリカの国際的な評判を落とす、ということを、ひとつの方針とした。
すなわち、「強いアメリカ」「正義のアメリカ」が、アメリカ人の誇りであるところに着眼した。
あちらこちらに火種を蒔いてから、そこに「正義の味方」として登場する、アメリカのやりかたを、あばいて批難したのである。
あれから5年経った。
アメリカの権威と評判は、失墜した。
このとき、私たち、つまり、日本のメディアと世界中のメディアが、結束して、アメリカの評判を広げていった。
それで、トランプ氏は、メディアをとても憎み、メディアを名指しで批判しているようである。
しかし、メディアを敵にまわしたトランプ氏に、あとがあるとは思えない。
○アメリカはプライドをとても傷つけられた。
これまでの私の、あちこちでの対話から推察すると、欧米は、日本とアジアを、「野蛮な国々」であると認識しているようである。
この「野蛮で遅れている」アジアに、オバマ大統領は、二回にわたって、大規模な戦略をしかけたが、いずれも撤退を余儀なくされた。
これは、アメリカにとって、非常に屈辱的なことである。
しかし、今、アジアは、「難攻不落の城」という状況にある。
アメリカは、自分たちが見下しているアジアに二度も負けたので、プライドがいたく傷ついているのである。
大事なことであるが、アメリカやヨーロッパにとって、日本も中国も、同じである。
アジア、とひとくくりに考えたほうがよいかもしれない。
○トランプ氏のアジア戦略
トランプ氏は、とても怒っている。
怒り心頭に達している、というところだろうと思う。
かつて、数年前のアメリカは、世界一強い国だった。
私たちは、かつて、アメリカが「強いアメリカ」だったことを、もう忘れてしまった。
トランプ氏の大統領就任演説を聞いていても、「アメリカを取り戻す」という言葉がピンと来ないくらいである。
しかし、アメリカは、ほんの数年で、経済的にも軍事的にも、国際間で、衰退し、凋落しているのである。
トランプ氏はこれを、取り戻そうとしているのである。
それも、急激に取り戻すのである。
トランプ氏は、おそらくオバマ氏に対してであろう、「口先だけで行動のない政治家ではなく」という言い方をしている。
オバマ氏は、二度にわたって、アジア戦略に失敗した。
トランプ氏の超が付くほどの急進的なやりかたは、「戦略を練る」というような、「こまごましたこと」をせずに、いきなり核爆弾を投下する、というやり方をとるように思う。
これは、大統領選挙の際にも、明言していることである。
ここで、「中国」が、大きな意味で、アジアをさすのではないか、と思われる。
日本もとても先進的で豊かな国である。
オバマ大統領は、日本の攻略に苦心した。
○キリスト教圏の衰退。
ここで歴史と宗教を見渡してみると、イギリスのEU離脱といっても、ポピュリズムが台頭しているのは、キリスト教圏である。
つまり、欧米が衰退しているのである。
そして、近年、アジア地域が台頭しているのである。
アジア地域には、ポピュリズムの台頭がないように思える。
もしも、欧米VSアジア、という「戦い」が、これから起きるとしたら、その持つ勢いによって判断すれば、アジアがこれから伸びていくのではないか、と予測される。
○麻生氏のアメリカ戦略はこうだったのではないか。推測。
これはあくまで推測であるが、麻生氏は、アメリカに対して、「日本としては、日米同盟を動かして、対中国の戦争に協力するから、日本を守ってほしい」と約束したのではないか、と思う。
そして、ひとつは、トランプ氏に、選挙を勝たせてあげるから、TPPを承認するように、もちかけて、トランプ氏はこれにOKしたのではないか、と思うのである。
しかし、約束の期日(クリスマスから年末にかけて)になっても、日本が南シナ海で戦争を起こさないので、裏切られたと思ったトランプ氏が、就任後、TPPを反故にしたのではないか、と思われる。
麻生氏は、日本のメディアと、もしかすると朝倉聡子が、中国戦略の戦争を始める、と約束して、アメリカのプライドを守ったのではないか、と思われる。
しかし、麻生氏はこれを前もって、日本のメディアや朝倉に言っておかなかったので、あちこち、計画がほつれてしまった。
ここで、トランプ氏の逆上がもっと燃え盛ったことになる。
○トランプ氏とアメリカに、プライドを回復させて、とりあえず核のボタンを押さないでもらう方法を考える。
きょう、27日は、日本から「安倍」総理大臣が、トランプ氏との首脳会談に、アメリカを訪れる日である。
なにかとても「うまいこと」を言って、許してもらうしかないのではないか、と思う。
核発射は前もって宣言すると、すぐにその国が他の国から核によって攻撃されてしまうので、宣言はないそうである。
「もしも、核を発射することがあれば、アメリカは報復として、世界各国から、核攻撃を受けることになる」こうした状況があれば、いくらトランプ氏でも、自滅の道を選ぶことはない。と思いたい。
日本は、ヨーロッパ各国と今から取り決めを行って、アメリカが中国またはアジア地域に核を落とした場合には、すぐに「アメリカを」核攻撃する、との共同の約束を結ぶとよいのかもしれない。
しかし、中国に一発核が落ちると、二発目は、フランスから中国への核投下、だそうである。
欧米のアジア嫌いは根深いところがあるので、ヨーロッパがこの共同約束に応じるかどうか、わからない。
しかし、私は思う。
これから先の未来は、アジアが台頭して大きく伸びる時代である。
中国は、アメリカに核を落とされても、報復さえしなければ、国際世論が、中国を正義として認めてくれる。
その後は、アメリカVS中国は、中国の勝ちである。
日本は、中国と手を結んで、アジア文明全域として、伸びていける可能性がある。
勝つのはアジアである。
ただし、核の応酬になってしまえば、地球全域が全滅である。
ヨーロッパには、勝つのはアジアであることを伝えて、共同約束に応じてほしい、と思うところである。
私の覚書は、以上である。